GPS受信モジュール・GE-612T vs GM-5157A 1PPS対決（高分解能版）

これまで

　　「GE-612T vs GM-316 1PPS対決 - GPS受信モジュール」
　　「GE-612T vs GM-5157T　1PPS対決（GPS受信モジュール）」

というような記事を書いてきました。極めて正確と言われるGPSの１PPS出力について二つの機種で出力タイミングに違いがないか比べてみようという企画でした。ただおそらく100万分の1程度の精度（確度）があると思われる1PPS出力を1/10000秒程度の分解能で比較しているのでなんとも物足りない感じを受ける方も多いと思います。

そこで超高精度＝1000万分の1秒あるいはそれ以上を目指します＝で比較してみることにしました。

今回はまず比較の手法について書きます。

なおどの回路も二つの入力に対して対象になるように作ってあります。1000万分の1秒ということになるとこういうところを丁寧に作っていく必要が出てきます。

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最初にこんな回路を考えます。


XOR（エクスクルーシブオア）に二つのGPS受信モジュールの1PPSを接続します。XORは二つの入力が一致すれば0、違えば1が出力されます。つまり二つのGPS受信モジュールの1PPS出力がまったく同じタイミングで出ていれば出力は0のまま変化がありません。

したがってこの回路で少なくとも1PPS信号が同じタイミングで出ているか否かを判断することができます。

どちらがはやいかもわからないのにやる意味があるのかと思う方もいらっしゃると思いますがそうでもないと思います。この方法（回路）はとても単純ですので遅延等を考慮する必要なくタイミングのずれがあるか否かが確実に判断できます。

ここで一致したと判断できるのであればこのあとの実験はする必要はなくなりますし（あるいはもっと分解能の高い実験方法を考える必要がありますし）、一致しなければそれを前提に次の実験に進みます。

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以上の実験で1PPS出力のタイミングに違いがあると判断されたときは今度はどちらが早く出力されているかを調べる必要があります。

こんな回路を考えました。


XORの出力をそれぞれの1PPS出力とNANDをとります。こうすると例えば１PPS出力の立ち上がりだったらGPS-1の出力の方がはやいときはOUT1にGPS-2の出力がはやいときはOUT2に出力が得られます。これでどちらが早く出力されたかがわかるようになります。

ところでこの回路の場合XORの遅延があるためGPS-2が遅くてもOUT2にパルスが出力される可能性があります。対策としてはこのような回路が考えられます。

GPS-1、GPS-2のオリジナルの信号も同じように遅延するのでNANDの入力ではタイミングがあうはずです。ゲートの種類によって遅延時間は違うので遅延補償(?)にも（同じパッケージの）XORを使うようにします。

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上の回路はどちらがはやいかはわかるわけですが、どれだけはやいかはわかりません。これは

　　「バイナリーカウンターで測るGPS受信モジュール1PPS信号のパルス幅」

と同じ方法で1PPS出力のタイミングの差を示すパルスの幅を測定すればいいと思います。それを考慮するとこんな回路になります。


OUT1、OUT2はそれぞれ12ビットバイナリーカウンターに接続します。
なおNANDの出力は論理が逆になっているのでクロックのゲートとしてNANDを使ってはダメでここはNORを使うことになります。

この方法はGPS1とGPS2の時間差がクロックのパルス幅より大きければ必ずカウントされ、小さければ平均2回に1回1カウントされそうです。つまり20MHzのクロックを使えば時間差が4000万分の1秒以下かどうかまでわかるはずです。

（「100万分の1秒くらいずれている？GPSの1PPS出力 GE-612T vs. GM-5157A」へ続く）
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　　「24ビットバイナリーカウンター」
　　「バイナリーカウンターで測るGPS受信モジュール1PPS信号のパルス幅」

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