ラブジョイ彗星の位置予測図をExcelで作成する
これまでの記事でラブジョイ彗星(C/2014 Q2)の位置予測図を使っていますが、これをどうやって作っているかというのが今回のテーマです。
まだ問題点はいろいろあるのですが、使えないことはないので作成に使用しているExcelファイルをダウンロードできるようにしました。
広角・標準系レンズ向けの汎用性のある__全天で使える__Excelファイルも作成しました。「ラブジョイ彗星の星図作成承ります (1) - 作成用Excelファイル付き」にあります。
なおこのExcelファイルは
「NASA JPL Horizons - Web-Interface」による彗星位置データ
「ESA - Hipparcos - Access the Catalogue Data」による恒星位置データ
を利用しています。
「NASA JPL Horizons - Web-Interface」からのデータの取得方法は
「ラブジョイ彗星の位置(赤経・赤緯)をNASA JPL Horizonsで調べる方法」
にあります。「ESA - Hipparcos - Access the Catalogue Data」の方は
「ヒッパルコス星表とティコ星表 」
あたりを参考にしてください。
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ラブジョイ彗星の記事は
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に、1月14日の位置予測は
「ラブジョイ彗星・2015年1月14日の位置予測図 + 見つけ方」
にあります。
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にあります。なお、ラブジョイ彗星がどちらの方向に見えるか、というようなことを手軽に知りたいのであれば
「国立天文台 天文情報センター 暦計算室 - 今日のほしぞら」
が便利だと思います。主要な恒星・惑星しか表示されないのですが、ラブジョイ彗星もちゃんと表示されています。
<== 1月中の話であればこっちの方が便利かも
「ラブジョイ彗星(C/2014 Q2)の位置をシリウスとオリオン座から探す」
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ExcelファイルはGoogleDriveからダウンロードできます。
「20150110v2.xls」
(間違って古いファイルをアップロードした可能性があるので差し替えました)
この時点で問題があります。ファイルサイズは7Mbyteを超えています。確かに星表データをちょこっと持っているので大きくなるのはわかるのですがこのサイズは異常な気がします。原因がわからないので....
<== 8000くらいの恒星のデータを持っています。7Mbyteでもめちゃくちゃ大きいということではなさそうです。
GoogleDriveで表示できないというエラーが出ますがこれは無視していただいてダウンロードしていただければいいです。
実行するとマクロがどうのこうのという表示がありますが、マクロは使っていませんのでマクロは無効にしたまま実行できます。
使い方はあとで書きますのでダウンロードしたら入力値を変えたりせずにまず最初に次の操作で動作を確認してください。
“SVG星表”のシートを選択しG23からG450までのセルを選択しコピーします。
ダウンロードしたファイルは選択状態になっているはずなのでコントロールCだけでコピーできるはずです。
メモ帳などを開きコピーした内容をペーストします。
メモ帳などの内容を例えば “20150110-50mm.svg”というような名前で保存します。ファイル名はどうでもいいですが拡張子は“SVG”である必要があります。
エクスプローラーでこのファイルを開きます。ファイル名をダブルクリックすればInternet Explorerが起動し次のような内容が表示されるはずです。
左上の巨大な星像はアルデバランです。
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条件を変えて位置予測図を作成する方法です。
必要なデータを“恒星位置計算”のシートに入力します。
赤いイタリックのボールドの文字のところが基本的な入力場所になります。
日にち....8~31の数字を入力します。10だったら2015年1月10日です。
焦点距離...レンズの実際の焦点距離を入力します。
カメラはAPS-Cのセンサーを持つものを想定しています。他のカメラを使う場合はこの下のピクセル数とセンサーサイズのところを入力します。最初は焦点距離だけ入力して調整するようにした方がいいでしょう。
赤経・赤緯...位置予測図の中心の座標を入力します。
「2015年1月のラブジョイ彗星の位置と光度等級の予測の訂正」に毎日21時のラブジョイ彗星の位置があるのでそれを参考にすればいいでしょう(同じものは“星表”のシートにもあります)
10日だと赤経59.8度、赤緯3.8度にすればラブジョイ彗星の予測位置が予測図の中央になります。上の例では赤経60度、赤緯10度になっています。これは少しカメラを上にずらしてアルデバラン/ヒアデスが視野の中に入るようにしたかったためです。
あとは最初にやった
“SVG星表”のシートを選択しG23からG450までのセルを選択し...
の操作をすれば予測図ができます。
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もうちょっとマニアックな(?)使い方は別の記事で書きたいと思います。
それから今回のExcelファイルは星表位置で描画するのではなく視位置で描画しています。精度を追求したから、ということではなくて「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (1)」のExcelファイルを流用したからです。
ただこの視位置計算はアマチュアでもっとも精度が要求されると思われる掩蔽(星食)予測に使えるくらいの精度があります。「恒星視位置(赤経・赤緯)計算が間違ってました!」に計算結果と国立天文台・暦象年表や天文計算アプリとの比較がありますので信用できない方はそちらを御覧ください (^^;;
話がそれましたが、このため使用するラブジョイ彗星の位置情報も視位置(Apparent)を使う必要があります。視位置は東京でのものを使っておけば全国どこでも問題にはならないと思います。
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