オペアンプで作った負性抵抗の抵抗値を測ってみた - 1
「オペアンプ(NIC)で負性抵抗を作る」で理論(?)を書き、「負性抵抗の抵抗値の測定法(オペアンプで作るNIC)」でどうやったら作った負性抵抗の抵抗値を測れるか書いたのですが、その後ほったらかしでした。
やっと実際に抵抗値を測ってみました。今回は負性抵抗の両端に電圧をかけ流れる電流を調べます。
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おさらいとして負性抵抗がどのようなものかを確認します。この図がわかりやすいと思います.
抵抗に電圧をかけると電流が流れるわけですがその電流は電圧に比例します。その比例係数のことが“抵抗値”になります。
抵抗値はふつうはプラスなのですが、これがマイナスであればそれが負性抵抗です。
微分抵抗が負というのは負性抵抗ではないような説明になってしまいましたが、(扱う信号が交流であれば)動作点を微分抵抗が負のところにおけば立派な(?)負性抵抗として振る舞います。
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「オペアンプ(NIC)で負性抵抗を作る」で作った回路に電圧をかけどれだけの電流が流れるか測ってみました。
みごとに比例係数がマイナスになっています。負性抵抗として機能しているようです。
回路に使用する抵抗は上の図にあるようにすべて10kΩくらいにしており回路定数から計算すると負性抵抗の値はちょうど-10.00kΩになるはずなのですが、実測値は-9.80kΩとちょっと小さめの値を示しています。あれ、マイナスだから“ちょっと大きめ“というべきでしょうか?
電圧が-3.68Vのときの電流がちょっとヘンです。実験の不手際という可能性もあるのですが、この回路は今回使った回路定数だと入力電圧が電源電圧の半分の範囲でしか負性抵抗として機能しません。その制限にひっかかってしまったのかもしれません。
正確に書くと“出力電圧範囲の半分”です。出力電圧範囲の何パーセントまでの入力電圧が許されるかは回路定数で決まります。
オペアンプのバイアス電流やオフセット電圧が原因で入力電圧が0でも電流が流れてしまったりしないか気にしていたのですがそれは(少なくとも検出できる範囲には)ありませんでした。
これで安心して次の実験に取り掛かれます。
(「オペアンプで作った負性抵抗の抵抗値を測ってみた - 2」に続く)
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なおこの測定方法には注意しなければならないことがあります。
記事中にも書きましたが入力電圧範囲に制限があります。Vin-側の帰還が1/2であれば(つまりVin-に接続される二つの抵抗の値が同じであれば)入力電圧は電源電圧の1/2以内にする必要があります。
それから入力側の接続する電源の内部抵抗が大きいと正常に機能しません。可変抵抗で電圧をコントロールするときはあまり大きな抵抗値の可変抵抗を使わないようにする必要があります。要するに入力側からみた電源側の抵抗が負性抵抗の絶対値より大きくならないようにします。
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