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2015年2月14日 (土)

交流電圧計(ミリバル)を作る - 高周波電圧計 - 1

低い周波数であれば作った交流電圧計の結果の妥当性はDMMと比較すればいいのでしょうが扱う周波数が高くなるとそうも行きません。

交流電圧計(ミリバル)の高い周波数での特性を調べるとき何か目安になるものがほしくなります。いちばん構造が簡単な高周波電圧計方式の電圧計を一つ用意しておけば便利そうです。

そこで今回は高周波電圧計っぽいものを作りその周波数特性を調べてみました。

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じつはいちどやっています。
  「アナログ乗算器EL4083ので作った交流電圧計(ミリバル)の周波数特性 - 1

実験のやり方が雑だっとのでもう少しちゃんとしました。
Imgp8694600

左から、水晶発振器、バイナリーカウンター、バッファ(Exclusive OR)を並べ配線も短めにしました(ただこの周波数になってくるとこんなんじゃまだ不十分なようです)
高周波を整流(検波)するところもプローブっぽくまとめました(ブレッドボードの上においてあるものです。シールドすればいいんでしょうが)

回路はこうなっています。
Rfprobe01

左端はただの水晶発振器です。金属パッケージに入ったものがありました。

次は14ステージバイナリカウンタです。これは「24ビットバイナリーカウンター(12STAGEリップルキャリー・バイナリー・カウンター 」で使った12ステージのものと似ているのですが2ステージ多く、発振器も作れるようになっています。そのかわり最初の3ステージと10ステージ目の分周出力がありません。12ステージのものの方がよかったのですが手持ちがなくて....

その次にExclusive ORがあります。これはバッファとして使っています。XORは片方のピンをLowに落とせばただのバッファ、Highにすればインバータになるので便利です。
振幅を一定にするために入れてみました。

最後に高周波電圧計にあたるものがあります。波形の振幅が得られるように倍電圧整流回路にしてあります。今回は順方向電圧降下の小さいショットキーバリアダイオードにしてあります。

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実験の原理(?)

論理ICの出力はHigh、Lowの間を行ったり来たりするので(かなり広い周波数範囲で)振幅は周波数によらず一定のはずです。
したがって振幅を測るような測定方法をとれば一定の測定値を示すでしょう。

実験方法 1

バイナリカウンターのそれぞれのステージの出力をXORの入力として出力電圧を測ってみました。
Rfprobe02a

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実験方法 2

バイナリカウンターのそれぞれのステージの出力を直接測ってみました。
これは実験1と比較しステージによって出力振幅が変わるものなのか確認するためです。
Rfprobe02b

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実験方法 3

今回はあんまり実験の意味がないのですが水晶発振器の出力を直接測ってみました。
Rfprobe02c

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実験結果

Rfproberes

数値だけではよくわからないのでグラフも作ってみました。

Rfproberesfig

これは矩形波の測定結果になります。正弦波で測定した場合は低い周波数の特性はこれより悪く高い周波数での特性はもっとよさそうです。
ただ高い方の特性は高周波電圧計の問題なのか信号源のデバイス、回路の方の問題か吟味する必要がありそうです。

例えばこれは電源電圧は5Vをちょっと超えるくらいでやっています。となると水晶発振器の出力が5.6Vあるというのはちょっとヘンです。

  <== 調べたら電源電圧は5.6Vくらいありました。フルスイングに近ければ出力5.6Vもありえます。

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  「交流電圧計(ミリバル)の簡単な作り方
  「簡単に作った交流電圧計(ミリバル)の周波数特性
  「DMM交流電圧の周波数特性を調べてみた
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  「コンデンサーの容量とESR・誘電正接(tan δ)を測ってみた
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  「四象限アナログ乗算器(マルチプライヤー)EL4083の使い方 - 1
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コメント

私にはいろいろとためになるノウハウが満載です。
特にExclusiveORの使い方はなるほどでした^^。それとどのくらいからシールドなどが必要になるのか気になるところです。配線の長さを短くするにも限界がありますよね。
ところで8MHzの発振器はPLLx4の入力のためですね。

こういうところになると未解決の課題__つまりわからないこと (^^;; __だらけです。
シールドはけっきょくそれによって影響があるかないかなので人によって考え方が違うでしょうね。
受信機や測定器だったらもう際限なくシールドしたくなるでしょうが、PC/PICだったらそういうのはぜんぜん考えそうにないですし (^^;;
この8MHzの発振器はおっしゃるとおり便利に使っています。でもじつは昭和の御代のものです。
シールドがしっかりしていそうなのでこれぞというときのためにハンダ付けせずにとっていたらもう数十年経ってしまいました。

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