発振周波数の電源電圧による変化 - 「超高精度・温度補償型水晶発振器VCTCXO・VM39S5G」
前記事「「超高精度・温度補償型水晶発振器VCTCXO・VM39S5G」を使ってみる - 1」でVM39S5Gについて
工場出荷時の誤差1ppm以内と言っているのに2.1ppm(12.8MHzに対して27Hz)もずれていた
みたいなトーンの記事を書いてしまったのですが、これは私が間違ってました。
理由はこの記事をご覧いただくとわかります。
なお1ppmでも我慢できないという方は
「超高精度VCTCXO・VM39S5GをPLLでGPSに同期させてみた」
「VCTCXO/VM39S5G+GPS/TIMEPULSE+PLLで0.01Hzの周波数偏差をめざす」
「GPS受信モジュールNEO-6MのTIMEPULSE出力の周波数安定度」
「標準電波にVCTCXO・VM39S5GをPLLで同期してみた - 長波JJY受信機の製作」
「JJY(標準電波/電波時計)に同期したTCXO(VM39S5G)の周波数安定度」
などをご覧ください。
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データシートを見ていたら
±0.3 ppm max. for a ±5% input voltage change
という記述がありました。つまり発振周波数の電源電圧に対する依存性がけっこう強いです。心配になって電源電圧を測ったら5.4V近くありました (^^;;
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電源電圧と発振周波数の関係を調べてみました。
それぞれの電圧で三回測ってその平均でグラフを作りました。
ただ三回の平均と言っても毎回違う数値を示すことはあんまりありませんし、違っても1カウント(つまり0.06Hzの違い)でした(この1カウントの違いというのは周波数カウンターでは原理的に発生するもので周波数がふらついていなくても起こります)
電源電圧に対する周波数偏差のグラフはみごとな直線になっておりその傾きはほぼ40でした。つまり
電源電圧が0.1V上がると周波数は4Hz高くなる
ということになります。
そして電源電圧5Vのときの周波数偏差は±1ppmのラインに収まっていることがわかります。
これ以外に負荷の問題があります。負荷をメーカー指定どおりするのは現実的にできそうにありません。負荷と発振周波数の関係の傾向くらいはそのうち調べてみたいと思いますが、その前に温度係数を調べてみることにしたいと思います。
その後バッファにエミッタフォロワーを入れた上で抵抗とかコンデンサーとか入れてみたのですがふつう負荷として想定されるくらいの範囲だと数Hzの変化しかないよう見えるのですが....
「VM39S5G(VCTCXO)の外部制御電圧と発振周波数の関係 - 超高精度・温度補償型水晶発振器 」
「VM39S5G(VCTCXO) - 温度補償型水晶発振器の温度係数を測る」
へ続く
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この実験を行っている“装置”については
「PIC+SPI+I2C 技術要素一覧表(自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ)」
にあります。
そのほかの関連記事(とそのリスト)
「「超高精度・温度補償型水晶発振器VCTCXO・VM39S5G」を使ってみる - 1」
「発振周波数の電源電圧による変化 - 「超高精度・温度補償型水晶発振器VCTCXO・VM39S5G」」 (この記事)
「VM39S5G(VCTCXO)の外部制御電圧と発振周波数の関係 - 超高精度・温度補償型水晶発振器」
「VM39S5G(VCTCXO)を使ってみた - 2 - 電源電圧」
GPS/RTC(DS3234)の1PPS出力を利用した超高精度周波数カウンター
確度0.0005ppmの周波数測定 - GPSの1PPS出力を使った高精度周波数カウンタ
ほんとうに超高精度かもしれないRTC・DS3234Sを使った周波数カウンター
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