続・コレクタ電圧とコレクタ電流の関係を調べてみた - 積分回路とMCP3208を使う
ちゃんとした(?)結果をご覧になりたい方は
「続々・コレクタ電圧(ICE)とコレクタ電流(IC)の関係を調べてみた - 積分回路とMCP3208を使う」
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前記事「コレクタ電圧とコレクタ電流の関係を調べてみた - MCP3208を使う」ではコレクタに与えられる電圧が不安定だという問題が発生しました。
そこで今回はコレクタに与える電圧を積分回路で作ってみることにしました。
現在構築中の自動計測システム(?)のテストを兼ねています。
(「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ - ハード編」)
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今回はコレクタ電圧を積分回路で作ります。
右側部分は前回と同様です。
左側のオペアンプのところにあるS1は最初ON(導通状態)にしておきます。こうすると抵抗値の小さい抵抗R10でオペアンプの出力とVin-が接続されていますので実質ボルテージフォロアになりオペアンプの出力電圧はR8で設定された電圧とほぼ同じになります。
S1をOFF(遮断状態)にするとオペアンプの出力とVin-はコンデンサーで接続されるのですがコンデンサーは放電状態にしてあったので端子電圧は0であり出力電圧は設定電圧と等しくなります(放電したコンデンサーは銅線と同じなのでボルテージフォロアーとして機能すると考えてもいいと思います)
(オペアンプの増幅率はとても大きいので)Vin-はVin+つまり設定電圧と同じになるようになります。これによって抵抗R9には (5V - 設定電圧) / R9 の電流が流れます。
(オペアンプの入力抵抗は実質無限大なので)この電流はそのままコンデンサーに流れ込みます。
そうするとコンデンサーの端子電圧は徐々に増加し始めます。つまりオペアンプの出力電圧はその分降下していきます。
さらにコンデンサーの充電が進むと最後は(このオペアンプは単電源なので)0V(に近いところ)にはりつきます。
こうして設定電圧から0Vまで直線的に変化する電圧が作られますのでこれをコレクタ電圧とします。
これで一回の測定が終了するのでS1のONにしコンデンサーの電荷を放電させて次の測定に備えます。
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このようにして得られた電圧を用いて実験したところこのような結果が得られました。
今回はコレクタ電圧が低いとき電圧に比例してコレクタ電流が増加する様子とコレクタ電圧が一定の電圧を超えるとコレクタ電流がほとんど増加しなくなる現象がかなり明確にとらえられました。
ただまだコレクタ電流の小さな振動のような動きが残っています。
時系列的にコレクタ電圧・電流を見てみます。
今回はコレクタ電圧は直線的に降下しています。一方コレクタ電流は微妙な変化を示しています。実験中ベース電流を監視しているのですがゆらぎがあるようにも見えたのでそのせいかもしれません。
引き続き実験を続けたいとおもいます。
(「続々・コレクタ電圧(ICE)とコレクタ電流(IC)の関係を調べてみた」へ続く)
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測定装置の全体像について
「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ - ハード編」
「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計のソース - main()」
電圧を作りだしている方法について
「VFコンバータ(VCO)の製作(3) - 自動周波数特性測定器に向けて」
MCP3208による電圧測定について
「PIC18F26K22でSPI - 8ch/ADコンバータ MCP3208の使い方(ソース付き)」
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「PIC/I2C大気圧センサーLPS331APの測定値をSDカード(SPI)に記録する - はじめに」
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