ほんとうに超高精度かもしれないRTC・DS3234Sを使った周波数カウンター
前記事「超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sを使った周波数カウンターの実力」でDS3234Sの1PPS出力をタイムゲートに使うとそこそこ高精度の周波数カウンターができることを書きました。GPSの1PPS出力を使った周波数カウンタとの差は20MHzで20Hz程度でした。つまり1ppmが実現できています。
今回はより精度(確度)を上げることを考えます。
なお徹底的に高精度を狙うならこちらの方がいいでしょう。
「確度0.0005ppmの周波数測定 - GPSの1PPS出力を使った高精度周波数カウンタ」
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DS3234Sはそのまま使っても摂氏0~40度の範囲で2ppmの確度があります。そしてもっと確度を向上させる手段があります。
レジスタの中にAging Offsetというものがありこれによって発振周波数の微調整が可能です。
これまでのGPS受信モジュールの測定結果との比較を見ながら調整してみました。
Aging Offsetを使わない場合、つまり値が0の場合前回書いたとおり20MHzで20Hzの誤差でした。ここから値を次第に変えていきGPS受信モジュールとの差を詰めていきます。
上の図にあるようにもう1Hz前後の差しかないようです。つまり確度は1/20MHz=0.05ppmということになります。
これからの課題は二点あります。
・より精度(分解能)の高い測定で不確かさを明確にすること
・この確度はどのくらいの温度範囲で維持できるのか確認すること
(続く)
たいせつな補足
・ Aging Offsetのレジスタのアドレスは10Hです。つまり書き込むときは90Hになります。
・ Aging Offsetは設定してもすぐに反映されません。
だから効果はしばらく時間をおいて確認します。
どういうタイミングで反映されるかはデータシートに書いてあったと思います。
・ どんな場合もAging Offsetを使えば確度が改善するわけではないようです。
データシートを見る限り摂氏10度以下、35度以上で使うことがあるのならやめた方がよさそうです。
(「超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sを使った周波数カウンターの限界」へ続く)
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関連
「PICでSPI - 超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sの使い方」 (ソース付き)
「PICでSPI - 超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sの実装」
「RTC(リアルタイムクロック)の時刻を合わせる方法 - DS3234Sを例に」
「超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sは一ヶ月に0.2秒進む」
「超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sを使った周波数カウンターの実力」
「超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sを使った周波数カウンターの限界」
「測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)」
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「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計のソース - main()」
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