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2015年2月17日 (火)

VFコンバータ(VCO)の製作(2) - 自動周波数特性測定器に向けて

どうしてこんなものを作り始めたかは
  「VFコンバータ(VCO)の製作(1) - 自動周波数特性測定器に向けて
に書きました。方針は決まったのでさっそく作ってみました。

今回は回路図とその説明です。

このVFコンバータは
  「インダクタンス測定法 - LC並列共振周波数測定装置
で使っています。

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Sweep

大きく分けるとVFコンバータを制御するための電圧を作る左側の部分とVFコンバータに相当する右側の部分、それらを結ぶ中央の部分からできています。

左側はデータシートにもあるデューティー比50%の矩形波発振器です。コンデンサーのところから信号を取り出します。ここでは三角波になっています。R3とC1は時定数が数十秒(あるいはそれ以上になるように適当に決めます。

ただこの三角波をそのままVFコンバータの、つまりフォトカプラの入力として使うことはできません。(電源電圧が5Vとすれば)1.7Vから3.4Vのあいだを行ったり来たりしているからです。

よくよく考えると用途によってはデューティ比50%でない方が使いやすいこともあるかもしれません。

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左側のオペアンプ、ボルテージフォロワーはなくても動かないことはないのですが、そうするとC1の充放電にR1が影響を与えてしまい回路定数の選択や調整が難しくなるのであった方がいいと思います。

オペアンプはNJM2902Nですが、単電源で電源電圧3Vで動くからこれにしました。

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次のオペアンプは左側の555で作られた三角波のレベルを調整するためのものです。このオペアンプは反転増幅器になっておりR1でその増幅率を変えることができます。つまり555で作った1.7Vから3.4Vの振幅1.7Vの三角波を任意の振幅の三角波にすることができます。
ここでフォトカプラーの必要とする0.3Vの振幅に変換するわけです。

そしてR2で反転増幅器のゼロ点を決めます。つまり1.6Vから0.3Vの振幅なのか1.7Vから0.3Vの振幅なのかを決めるわけです。

ですからR2でまず三角波の振幅を0.3Vになるように調整し、次にR1を調整してそれが1.5Vから1.8Vになるようにするということができます。

R2の調整だけだと出力が出力範囲外になることがあるのでなってしまいますので実際はR2の調整とR1の調整を交互におこなっていきます。

R1、R2は電力消費が大きくならない程度に大きめ、バイアス電流の影響が強く出ない程度に小さめにします。

電源を入れる前にR1、R2とも中点になるようにして始めた方がいいでしょう。

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二段目のオペアンプの出力でCdSフォトカプラ MI0202CL(秋月電子通商 - MI0202CL)のLEDを点灯します。R6は事故対策です。R6は100Ωくらいにしておけばいいと思います。なくてもたぶん事故にはならないとは思いますが...

ここまで作ったらフォトカプラーの出力部のCdSの抵抗値を測り想定した範囲になるようにR1、R2を調整します。これはLEDの順方向電圧電流特性を利用しているので温度変化に敏感です。調整が終わっても緩み止めは使わないほうが無難でしょう。

フォトカプラーの特性はデータシートだけではわからない部分があるので
  「VFコンバータ(VCO)の製作(1) - 自動周波数特性測定器に向けて
にあるグラフなど参考にしていただければと思います。

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あとは抵抗値の変化範囲と必要とする周波数帯からC2の値を決めれば終わりです。
555からはデューティー比50%の矩形波が得られます。
出力はDischargeからとってもいいと思いますがそのときはプルアップします。

今夜にでも抵抗値の変化のようすなどがわかる動画を用意したいと思います。

  <== 間に合いそうにないので明日以後になります。すみません。


動画よりわかりやすいものを用意しました。
  「VFコンバータ(VCO)の製作(3) - 自動周波数特性測定器に向けて」に続く

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「自動周波数特性測定器」の技術要素

制御用電圧の発生
  
   (この記事)

信号源
  「ほよほよのブログ - (追記あり)周波数可変な正弦波発生回路
  「VFコンバータ(VCO)の製作(1) - 自動周波数特性測定器に向けて

電圧等測定
  「交流電圧計(ミリバル)の簡単な作り方
  「複素数としての電圧・電流を測る方法 - 原理
  「LCRメータの仕組みと作り方

周波数測定
  「GPS/RTC(DS3234)の1PPS出力を利用した超高精度周波数カウンター

記録
  「PIC/I2C大気圧センサーLPS331APの測定値をSDカード(SPI)に記録する - はじめに
  「自記温度計、自記気圧計 - (複数のSPIデバイスがいっしょに使えなかった話)

関連

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コメント

動画が楽しみです^^。
この回路だとメインはR1を調整することで回転に比例的に周波数が変わるということなんでしょうか。
LEDへの電圧変更は範囲がとても狭いと思ったのですが、この方法だとうまく調整できるということなのでしょうか。

今記事に追記しておいたのですが、最初の555から出力される三角波(もどき)は振幅が電源電圧の1/3あります。これをオペアンプの増幅率を調整して振幅が0.2~0.3Vppになるようにします。この増幅度の調整をR2で行います。
そしてその0.3Vが例えば1.4~1.7Vの範囲になるように調整するのがR1の方の役目ということになります。
おっしゃるとおりLEDの制御電圧の範囲は狭いです。かなり微妙なところがあります (^^;;

それから動画は今日は間に合いません。すみません m(._.)m

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