金属皮膜抵抗(紫帯)の温度係数を測ってみた - タクマン電子 10kΩ
紫帯=0.1%ものの温度係数を書くのですが、じつはこの抵抗にはカラーコードはついていません。“1002B”と印刷されているだけです。他の記事との釣り合いということで“紫帯”としました。
さすがにこのクラスになるとすごいです。次(仮に)やるとすればアルファ・エレクトロニクスの金属箔抵抗器0.01%になるのですが、カラーコードだったら何色なんでしょう?
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金属皮膜抵抗、炭素皮膜抵抗の温度係数については
「金属皮膜抵抗と炭素皮膜抵抗の温度係数を測ってみた - まとめ」
に一覧があります。
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回路構成は「金属皮膜抵抗(緑帯)の温度係数を測ってみた Linkman - 10kΩ」と同じです。ただ分解能が不足していたのでR5を300Ωに変更しました。またすべての抵抗を緑帯(0.5%)あるいは紫帯(0.1%)にするために抵抗の入れ替えをやっています。
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結果はこうなりました。
目で見る限りは温度による抵抗値の変化はまったくないとしか思えません。
近似式を見ても温度係数はとても小さい値になっています。
容器内温度上昇時と下降時のデータをいっしょにして温度係数を求めると
-1ppm/K ±0.6ppm/K
という結果になりました。温度が1度上がったとき抵抗値が百万分の1減る、つまり10kΩの抵抗だったら0.01Ω抵抗値が減って9,999.99Ωになるということを言っています。
このくらいの温度係数になると実際の回路でその影響を実感することなんかないように思えます。
そもそも今回の結果にしても温度係数を正確に測定できているのかちょっと疑問も感じます。機会を見て確度・分解能を上げてまた測定してみたいと思っています。
下記のグラフを見ると前半(温度上昇時)の方は室温が安定しています。測定回路の影響が小さいということになりますのでこちらだけとって
0.3ppm/K ±0.9ppm/K
となると考えた方がいいのかもしれません。でもどちらにしても温度係数が極端に小さいことだけは確かです。
「金属皮膜抵抗(茶帯)の温度係数を測ってみた - KOA MF1/4CC2002F 20kΩ (秋月電子通商)」と同じ回路で再度測定してみました。結果だけ書くと
-1.2ppm/K ±0.2ppm/K
でした。この抵抗の温度係数がとても小さいことは間違いありません。
さらに分解能を上げた実験もしました。詳細は「金属皮膜抵抗(0.1%)の温度係数を測ってみた - タクマン電子 RN14C2B 10kΩ(千石電商)」にあります。
-0.90ppm/K ±0.03ppm/K
という結果が出ています。
測定の経過
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「金属皮膜抵抗と炭素皮膜抵抗の温度係数を測ってみた - まとめ」
「金属皮膜抵抗(紫帯)の温度係数を測ってみた - タクマン電子 10kΩ」 (この記事)
「金属皮膜抵抗(緑帯)の温度係数を測ってみた Linkman - 10kΩ」
「金属皮膜抵抗(緑帯)の(室温での)温度係数を測ってみた(暫定版)」
「金属皮膜抵抗(茶帯)の(室温での)温度係数を測ってみた(暫定版)」
「炭素皮膜抵抗の温度係数を測ってみた(暫定版)」
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(今回測定に使った方法です)
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