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2015年3月 5日 (木)

一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 2

全波整流電圧がグランドに対する電圧として求めることができる交流電圧計を作ろうとしているわけですが、回路自体はそんなに難しいものではないです。
前記「一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 1」の内容にそって進めたいと思いますが部品=抵抗の準備がけっこうめんどうでした。

結果的に言えばこの記事で使おうとしている金属皮膜抵抗はとんでもないものでした。ちゃんとした抵抗を使えばこんなに苦労する必要はありません。

おすすめの抵抗
  「
秋月電子通商の金属皮膜抵抗器の話 - KOA MF1/4CC2002F 20kΩ
  「
金属皮膜抵抗(茶帯)の温度係数を測ってみた - KOA MF1/4CC2002F 20kΩ (秋月電子通商)

この記事で使おうとした抵抗
  「
金属皮膜抵抗(茶帯)の(室温での)温度係数を測ってみた(暫定版)

==========

回路はこうでした。
Se01

まずR6とR7は適当でいいと思います。炭素皮膜でもかまわないでしょう。
R5は値は適当でかまわないのですが金属皮膜抵抗にします。この回路の定数だと全体の増幅率は1になります。ただこれは交流(正弦波)で考えると平均値に対して1であってもし入力が正弦波と仮定したときの実効値を求めたかったらこれではだめでR5を1割くらい増やす必要があります(詳細は「交流電圧計(ミリバル)の簡単な作り方」にあります)
だからR5を正確に他と合わせてもあんまり意味はありません。でも温度係数が大きいのは困るので精度のいい(=温度係数の小さい)抵抗を使いましょう。

けっきょくR1、R2、R3、R4の四つの抵抗の抵抗値が重要なのですがこれらには

  R2 * R4 / (R1 * R3) = 2

という関係が成り立つ必要があります。R3が他の抵抗の1/2の抵抗値なのですが、これについては他の抵抗と同じ抵抗値のものを二つ用意して並列にして使うことにします。
同じロットだったら温度係数もだいたいおんなじだろうというあんまり根拠のない考えからです。

-----

手持ちの20kの抵抗14個を紙にテープで止め抵抗値を測ります。
Imgp87061200

19.62kとか茶帯の抵抗にはありえないはずの抵抗値がありますがDMMの誤差じゃないでしょう。20.41kというのもありますから (^^;;

意外と同じ抵抗値の抵抗があり助かります。これらから上の式をできるだけよく満たす抵抗を選択します。じっくり考えてこういう使い方をすることにしました。

  R1=19.98k、R2=19.83k、R3=19.82kの2本を並列、R4=19.97k

これで上の計算式で計算すると結果は 2.000 になりました。パーフェクトです。

次のような回路で作ることにします。
Se02_2

この回路は入力インピーダンスが10kΩと低いです。ミリバルとして使うにはそこをどうにかしないといけないのですが、どうするかまだ決めていないので今回は省略します。
(たぶんボルテージフォロアを入れて終わりでしょうが)

オペアンプも何を使うか決めていません。そんなに低い電圧を測るわけでもないし安上がりに済ませたいということであればふつうの汎用オペアンプで問題ないと思いますし、そうすると思います。

ダイオードはふつうの小信号スイッチング用みたいなので問題ありません。

(「一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 3」(製作編)に続く)
--------

  交流電圧計(ミリバル)の簡単な作り方
  ベクトル電圧計 - 複素数としての電圧・電流を測る方法 - 原理
  一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 1
  一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 2
  一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 3

  趣味の測定(?) (ほんとはこれまで書いた記事の一覧です)
    (各種の測定に関する記事の一覧が記事の最初にあります)

  PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)
    (現在作成中の装置の概要と技術要素ごとの記事へのリンクがあります)

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コメント

これは理想ダイオードによる半波整流と反転増幅(2倍)による、絶対値回路ですね(¬_¬)
(惑さん風)
オペアンプの研究を始めたら、すぐにこの回路に出くわしました^^。

はい、こういうのは回路的に難しいわけではないので作ろうと思うのですがいつも抵抗の選別がめんどうでつい二の足を踏んでしまいます (^^;;
今回は他にも何十本も抵抗値の測定をやっておりインスツルメンテーションアンプまで一気に作ってしまおうと思っています。
買ってきたほうが簡単・確実(そして安上がり?)だとは思うのですが (^^;;

それにしても抵抗の選択がぴったりで驚きました。
ぴったり2にしないとダメ(0.1%以内が必要)と教科書にあったのでお見事です^^。
こちらのミリバルの周波数特性も気になります。

周波数特性は私も気になります (^^;;
この抵抗は確かaitendoさんの金属皮膜抵抗パックだったと思いますが茶帯なのに2%も違うのがいっぱり見つかっており若干怪しさを感じます。
気温が違うときに候補をもう一度測って最終決定する予定です。
抵抗値がだいぶばらけているのに同じ抵抗値のものがけっこう見つかるというのが不思議です。

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