金属皮膜抵抗と炭素皮膜抵抗の温度係数を測ってみた - まとめ
これまでの各種抵抗の温度係数の測定結果をまとめてみました。
秋葉原に行くと抵抗器としてはけっこうなお値段のものも売られていますが、お値段分の値打ちはあるようです。
また中には“超”が付くほどのお買い得品があります。
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メーカー | 型番 | 抵抗値 [Ω] |
抵抗値 範囲 [%] |
温度 係数 (T.C.R) [ppm/K] |
温度 係数 実測値 (dR/dT @25℃) [ppm/K] |
備考 温度係数実測値の不確かさがものによってぜんぜん違いますが、これは測定対象によて回路を変えており分解能がそれぞれ異なることが理由です。 |
タクマン電子(?) | RD25SJ 10K(?) | 10k | ±5 | ±450 | -390±4 | 秋月の一袋(100本)100円の炭素皮膜 メーカー・型番は現在の販売品のものです。買ったのはかなり前なので同じものなのかよくわからず“(?)”つきにしてあります。 「炭素皮膜抵抗の温度係数を測ってみた(暫定版)」 |
不明 | 不明 | 10k | ±1 | 不明 | -318±29 | 通販で買った金属皮膜各種抵抗値セットの中の1本です。 抵抗値が2%くらい違っているのがけっこう混じってました (^^;; 「金属皮膜抵抗(茶帯)の(室温での)温度係数を測ってみた(暫定版)」 |
KOA | MF1/4CC2002F | 20k | ±1 | ±50 |
+23±1 | 秋月の一袋(100本)300円の金属皮膜 秋月のサイトには温度係数100ppm/Kとあるのですが、型番が正しければ50ppm/Kのはずです。もしそうならお買い得かも。 千石でも同じものが売られておりそちらは50ppm/Kと書かれています。 「秋月電子通商の金属皮膜抵抗器の話 - KOA MF1/4CC2002F 20kΩ」 「金属皮膜抵抗(茶帯)の温度係数を測ってみた - KOA MF1/4CC2002F 20kΩ (秋月電子通商)」 |
MF1/4CC1001F LOT: 52107240 |
1k | ±1 | ±50 | -6 | 秋月電子通商で購入しました。 価格や仕様からするとちょっと信じられないくらい温度係数が小さいです。 「金属皮膜抵抗の温度係数を測ってみた - KOA MF1/4CC1001F」 | |
Linkman | LMFQ50S-103D | 10k | ±0.5 | ±25 | +11±3 | マルツで一袋(10本)300円の金属皮膜 |
タクマン電子 | RN14C2B | 10k | ±0.1 | ±50 | -1±1 再測定 -1.2±0.2 -0.90±0.03 |
千石で163円の金属皮膜 温度係数を測定するための回路を作ると言った用途であればこれがいいでしょう。 室温での温度係数は信じられないくらい小さいです。 DMMのチェック用にも使えるくらいの精度と思われます。 「金属皮膜抵抗(0.1%)の温度係数を測ってみた - タクマン電子 RN14C2B 10kΩ(千石電商)」 |
アルファ・エレクトロニクス | MCY10K000T | 10k | ±0.01 | ±2.5 | 測定予定あり | RSオンラインで1,200円の金属箔抵抗器 買っちゃいました \(^o^)/ ただし100R00(100.00Ω)です。 (今の方法では温度係数を測定できそうにありません) 「100Ω±0.1%の精密抵抗の抵抗値を測ってみた - 定電流回路と20.6bitADコンバータMCP3553を使う」 |
参考 | もちろんもっと精度の高いものもあります。 「精密抵抗のお値段 - 抵抗器の精度と価格の関係」 |
左側の温度係数(T.C.R)はカタログ値です。
( R(T=T1) - R(T=T2) / ( T1 - T2 ) T1=125℃等、T2=25℃
のようにして算出されたものです。
右側の実測値は
( R(T=T1) - R(T=T2) / ( T1 - T2 ) T1=26℃等、T2=25℃
のようにして計算しています。要するに dR/dT(T=25℃)です。
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測定は
「自動平衡ブリッジの原理と回路の作り方」
に書いた方法を利用しています。また
「サーミスタ/白金測温抵抗体/pn接合による温度測定のための定電流電源(バイラテラル回路)」
「22ビット(20.6bit)ADコンバータMCP3553の使い方」
を使ったものもあります。具体的な方法は測定対象によってすこしずつ違いますので上の表にあるリンクを参考にしてください。
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関連記事
「金属皮膜抵抗(緑帯)の温度係数を測ってみた Linkman - 10kΩ」
「金属皮膜抵抗(緑帯)の(室温での)温度係数を測ってみた(暫定版)」
「金属皮膜抵抗(茶帯)の(室温での)温度係数を測ってみた(暫定版)」
「炭素皮膜抵抗の温度係数を測ってみた(暫定版)」
「自動平衡ブリッジの原理と回路の作り方」
(今回測定に使った方法です)
記事一覧(天文、電子工作、測定)
(各種の測定に関する記事の一覧が記事の最初にあります)
PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)
(今回の測定に使った装置の概要と技術要素ごとの記事へのリンクがあります)
「精密抵抗のお値段 - 抵抗器の精度と価格の関係」
(お金さえだせば温度係数がどうのこうのということに悩まされずに済みます)
趣味の電子工作
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