交流電圧計(ミリバル)と高周波電圧計の周波数特性 - VFC(LT1799)の出力
交流電圧計(ミリバル)や高周波電圧計の周波数特性を調べています。
今回は交流電圧計は「一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 1」で作成したもの、高周波電圧計は「交流電圧計(ミリバル)を作る - 高周波電圧計 - 1」で作成したものです。どちらもすでに周波数特性を記事にしているのですが、ちょっと雑だったので今回はVFコンバータLT1799を使って周波数を連続的に変化させながら特性を見てみました。
LT1799の出力は矩形波なのでほんとうの意味での周波数特性ではないのですが、傾向ははっきりつかめます。
“ベクトル電圧計”の周波数特性は
「交流電圧計(ミリバル+高周波電圧計+ベクトル電圧計)の周波数特性」
にあります。
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高周波電圧計の方は直接LT1799の出力に接続して測ってみました。
下のグラフのAが高周波電圧計の示す電圧です。ほうとうはダイオードを使うため発生する非直線性の補正が必要なわけですが、今回はそれはやっていません(要するに入出力特性を調べていないわけです)
20kHzから5MHz近くまでほとんどフラットになっています。LT1799の出力特性と高周波電圧計の周波数特性が打ち消し合ってフラットになった、ということはないでしょう。LT1799の出力も高周波電圧計の周波数特性もフラットなのだと思います。
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この後、LT1799の出力を交流電圧計で測ってみるという順番になるわけですが、それはまだやってなくて、LT1799の出力をいったん072Dで作ったボルテージフォロアを通して高周波電圧計で測るということをやってみました。そしてこのときはミリバルでも測っています。
グラフのB1は高周波電圧計の出力、B2がミリバルの出力です。
(詳細は「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)」、「PIC16F1705のDAコンバータを使った正弦波発振器(発生器) - 改良版」を参考にしてください)
高周波電圧計の出力は低い周波数ではボルテージフォロアがないときとだいたい同じですが、周波数が上がるに連れて少しずつ上って行きます。
オシロスコープがないので何が起きているのかよくわからないのですが、高い周波数のゲインがないため波形が崩れているのだと思います。矩形波に含まれる基本波の振幅は矩形波自体の振幅より大きいはずです。高周波電圧計は尖頭値を測っていますのでこういう現象が起きてもおかしくはないと思います。
一方ミリバルの方は数十kHzあたりからじょじょに出力が低下し始めており100kHzを超えると急激に特性が悪化します。
ミリバルに使っているオペアンプはNJM2747Vで、ユニティゲイン周波数が10Mhzと比較的大きかったのでこれにしたのですが、思ったより伸びていません。このオペアンプのスルーレートはじつは072Dの1/6くらいしかなくそれが原因かと思い072Dボルテージフォロアの出力を分圧したものでもやってみたのですが傾向はあんまり変わりませんでした。
何か回路的な問題がないのかちょっと調べてみたいと思います。
なおミリバル部分の出力電圧は平均値なので高周波電圧計の半分の電圧になるはずです。高周波電圧計の出力がちょっと小さいような感じがしますが、これはダイオードの非直線性が原因でしょうから出力電圧についてはリーズナブルな値になっていると思います。
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関連
「記事一覧(天文、電子工作、測定)」
「PIC16F1705のDAコンバータを使った正弦波発振器(発生器) - 改良版」
「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)」
「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計のソース - main()」
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