PICのオーバクロック - 87MHzで動いた(?)PIC16F1705
今は使っているPCのCPUはクロックはおろか型番さえよく覚えていないのですが、今からずっと昔、絶えずCPUの能力不足に苦しんでいた頃__K6の時代__オーバークロックに励んだものです。
CPUを買うときはロットまで確認していました。そして買ってきたらCPUの表面を研磨したり、ペルチェ素子で冷却してみたり.... (^^;;
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「PIC16F1705のDAコンバータを使った正弦波発振器(発生器) - 改良版」の発振周波数(発生周波数)はPICのクロックで決まります。
正弦波の周波数 = クロック/4/128
です。PIC16F1705は32MHzですから
32,000,000 / 4 / 128 = 62,500 [Hz]
が出力の(スペック上の)上限周波数ということになります。ただこのPICが40MHzで動くのは確認ずみです。「PIC16F1705の8ビットDACを使って(実用的)正弦波発振器を作る」は10Mhzの水晶発振子を使いPLLイネーブルで動かしていました。
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ではこのPIC16F1705はどこまで動くのか?
前から一度やってみたいと思っていたことを試してみました。その話はまた別の記事として書くつもりなのですが、そのときの実行結果をグラフにするとこうなります。
40kHzくらいから徐々に周波数を上げています。正弦波用、余弦波用の二つのPIC16F1705があるのですが、どちらも170kHz前後で動作を停止しました。
このデータを使い上に書いた式から逆に計算すると
クロック = 170,000 * 128 * 4 = 87,000,000[Hz]
87MHzまで動いていたようです。にわかに信じがたい数値です。
もっともこれでも正弦波がちゃんとでていたのかどうかはわかりません。オシロスコープを持っていないもので....
追記(2018.08.27)
以下の記事にオーバークロックしたときの波形がありました。やっぱりある程度周波数が上がると波形がくずれるようです。
「アキバ通いと旅 電子工作の話題と旅の写真を中心に - PICファンクションジェネレータ」
この記事は波形生成の途中で波形や周波数源の分周比を更新するということをやられています。工夫すればいろんなことができるものです。
でもこのとき実験の対象にしていた回路からすると交流電圧計の読みは確かにその周波数領域でないと見られないリーズナブルな値を示しています。
==> 詳細は「コイル(インダクタ)の自己共振周波数を測ってみた」にあります。
ほんとにこの周波数まで動作するとかなり使いでがあります。
残念ながらその後動くのは動くものの期待しているような動作をしていないことがわかりました。
「PIC16F1705の8bitDAコンバータを使った正弦波発生器の出力特性」
なお今回使用した周波数カウンタと交流電圧計は次のものです。
「GPS/RTC(DS3234)の1PPS出力を利用した超高精度周波数カウンター」
「一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 1」
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関連
「記事一覧(天文、電子工作、測定)」
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コメント
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ええ!(@_@)
びっくり、規定の倍以上の速度じゃありませんか。MicroChipは2倍以上の動作マージンを確保していたのでしょうか、固体差もあるようですし、これじゃPICのロットナンバー(あるか不明ですが^^;)まで気になってきますね^^。
投稿: ほよほよ | 2015年3月17日 (火) 08時42分
これ、不思議ですよね。
ほよほよさんの記事にはあんまり伸びないと書かれていたようなので何度か確かめたのですが。
多品種生産だとどの製品も製造工程はあんまり違わないでしょうから18F26K22が64MHzで動くのだったらこのくらい動いてもおかしくないような気もします。
ただこれはじょじょに周波数を上げて行っているわけで突然(?)この周波数で動かしたらどうなんだろうというのはあります。波形がどうか、このクロックでもすべての機能が使えるのか課題は多いです (^^;;
投稿: セッピーナ | 2015年3月17日 (火) 08時54分