直列共振回路と並列共振回路の共振周波数を測る
教科書にはさらっと書いてありますが実際に測るのはなかなかたいへんです。
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最初に結果をお見せします。
オペアンプの反転増幅回路の入力抵抗のところに共振回路を入れてあります。
直列共振回路(青い線)だったら共振点でいちばん電流が流れ出力電圧は最大になります。
並列共振回路(赤い線)だったら逆に電流はほとんど流れなくなり出力電圧は最小になります。
(ただ共振点というのが何を言うのかが問題です。とくに並列共振回路の場合はちょっとややこしいです)
上のグラフの共振点のところを拡大するとこんなです。
横軸は一目盛り10Hzです。縦軸だと並列共振回路の方は一目盛り10mV、直列共振回路はわずか1mVです。極大(極小)になる点が共振点、としてもそれを見つけるのがなかなかたいへんなことがわかっていただけると思います。
じつは最近こういう“実験”を大量にやっていて処理が追いつきません。記事が滞っているのはこれが原因です (^^;;
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ブロックダイアグラム
上の正弦波発生器とベクトル電圧計の間つまり共振回路と自動平衡ブリッジの部分の回路図です。
スイッチがたくさん入っているのですが、これはCircuitMakerにロータリースイッチがなかったからです。S1を除けば4接点のロータリースイッチが二個あれば足ります。
そもそも周波数による出力振幅の変化調べるだけなら共振回路の後の出力をベクトル電圧計のX入力、Y入力の両方に接続すればいいわけでこんなにスイッチは要りません。これはキャパシタンスメーター、インダクタンスメーターを作るとき使うことを前提にしているのでいろいろ切り替えたりキャリブレーションができるようにしてあるのですが、共振周波数を調べるときもちょっとおもしろいことができます。
いちばん右側のオペアンプは信号の極性を反転するのが目的です。後続のベクトル電圧計の出力がマイナスになるとADコンバータでそのまま測れなくなるのを避けるためです。現在はベクトル電圧計の後に全波整流の目的で交流電圧計を入れてありベクトル電圧計の出力がプラスでもマイナスでもプラスに変換してしまうので必要なくなっていますが.....
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