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2015年3月 7日 (土)

インダクタンスのとっても簡単な測り方

たぶん“もっとも簡単なインダクタンスの測り方”です。数分間で回路の準備から測定まで終了します。
ただし周波数カウンターが必要です。いろいろありますが私の記事だったら
  「GPS/RTC(DS3234)の1PPS出力を利用した超高精度周波数カウンター
です。

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まずお断りしておきたいのはこれはふと思いついたことを書いただけの記事だということです。けっこうおもしろそうなので真剣に考えてまた記事にするつもりですが、自分で試してみようという方は少し考えてからの方がいいと思います。

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最初にLMC555の代表的な回路を考えます。デューティー比 50%の発振器です。
555c

(仮にOutがHighだとします)Rを通してCに電流が流れ込みます。流れ込んだ電流の総量(つまり積分)に応じてCの端子電圧はじょじょに上がっていきます。ある一定の電圧(2/3V)になるとトリガーがかかりOutはLowになります。
そうすると今度はCの電荷がRを通して放電します。上と同じでCの端子電圧はじょじょに下がって行きある一定の電圧(1/3V)になると今度はOutがHighになります。
こうやってOutはHighとLowの間を行き来します。つまり発振します。

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この動作原理と同じことはCRの代わりにRLを使っても実現できるはずです。
555l

OutがHighになったときRの端子電圧は一気に上るわけではありません。インダクタは電流を保とうとする性質があり流れる電流はじょじょに増えていくからです。トリガーがかかりOutがLowになったときLの電流は維持しようとされます。電流がRを通して流れてエネルギーを失うことによってじょじょに低下しそれにともなってRの端子電圧も低下していきます。
つまり上のCRの場合と同じ現象__発振__が起きるはずです。


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実際に試してみました。

Rを2.7kΩとしていつもテストに使っているコイルをLとして使います。
確かに発振しました。発振周波数は18.4kHzでした。

では発振周波数からどうやってインダクタンスを求めるか?

CRの場合の発振周波数は f= 1 / (1.4RC) です。だったらRLの場合は f= 1 / ( 1.4*L/R ) になりそうなものです。仮にそうだと考えると L = 1 / ( f/R*1.4) ということになります。

 L = 1 / ( 18400 / 2700 * 1.4 ) = 0.105

105[mH]ということになります。このコイルは100[mH](実測値98±1[mH])でしたのでなんとなく合ってます。

もっと別の条件で実験したり、発振周波数はどう計算したらいいか考えたりしてからまた記事を書く予定です。

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追記

別のコイルを使って実験してみました。今度は発振周波数は290kHzでした。
上と同じ計算式で計算するとインダクタンスは6.7mHです。コイルのカラーコードは4.7mHになってました。
どういう計算式が正しいのかまじめに考えてみます。

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関連記事

  「インダクタンスの測り方・まとめ

  趣味の測定(?) (ほんとはこれまで書いた記事の一覧です)
    (各種の測定に関する記事の一覧が記事の最初にあります)

  PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)
    (現在作成中の装置の概要と技術要素ごとの記事へのリンクがあります)

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コメント

おお!これは!
素晴らしい発想ですね^^。
そうかーそうですよね、よく発振回路でCとLの置き換えは目にしますから思いついてもいいですよね。
220pFのCを使って4MHz発振ができたことを考えると数十nHのLも発振するかも知れませんね。
ちょっと感動してます。さっそくやってみます。

じつは私も最初にこれで1μH以下が測れないかと考えました (^^;;
残念ながらこのままだとがんばっても数十μHが限度だと思います。
μHオーダーあるいはそれ以下はけっこう難しそうですね。

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