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2015年4月 4日 (土)

(趣味の)LCRメータのコントロールパネル

これまでの正弦波発生器、自動平衡ブリッジ、ベクトル電圧計でLCRメータ(キャパシタンス/ESRメータ、インダクタンスメータ)を形にできそうな雰囲気になってきました。

ブレッドボードでやってきたので配線はジャンパーを抜き差ししていたのですが、めんどうですし誤接続も頻発していました。

LCRメータとしてまとめるためにコントロールパネルを作ることにしました。

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基本はPICでコントロール・測定するのですがベクトル電圧計(アナログ乗算器)の入力切替は手動でやるしかない(アナログスイッチを使えないこともないのですが回路が複雑になるので避けたいです)のでその部分です。

Controlpanel

X、Yはベクトル電圧計の入力切替、H1、H2、H3はオフセット調整用の(半固定抵抗を回すための)穴です。Sは未定で、測定対象の切り替えか測定周波数の切り替えに使いたいと思っています。

左側の二つのローターリースイッチは2回路6接点を使っていますが、切り替えには1回路しか使わないのでもう1回路を利用してPICでロータリースイッチのポジションを検出できるようにする予定です。これによってオフセット調整以外の校正作業を半自動化することができますし、ロータリースイッチが所定のポジションに設定されたら自動的にLCRの測定に入るように作ることができます。

それぞれの項目の意味

GND ....  文字通り入力をグランドに落とします。
+2V ... 直流電圧を与えます。基準電圧源等を使い電圧を安定化しておきます。
sin ... 正弦波発生器の正弦波出力を与えます。
cos ... 正弦波発生器の余弦波(正弦波に対し位相が90度進んだ波形)を与えます。
ABB ... 自動平衡ブリッジの出力です。
sin/cos ... 上のsin、cosをPICから制御信号で切り替えたものが入力されます。
       (一定時間ごとにsin、cosを切り替えます。ここはアナログスイッチを使っています)

使い方

(左側がXの選択位置、右側がYの選択位置です)

ABB sin/cos ... LCRメータとして使うときの設定です。
           このポジションに設定されるとPICはLCRの測定を開始します。

以下は測定開始時等随時行います。

GND GND ... ベクトル電圧計の出力オフセット調整(H3)
GND +2V ... ベクトル電圧計のX入力オフセット調整(H1)
+2V GND ... ベクトル電圧計のY入力オフセット調整(H2)
ABB +2V 自動平衡ブリッジのオフセット調整

+2V +2V ... ベクトル電圧計の校正(Vout = VinX * VinY / K のKを求める)

sin sin ... 正弦波入力の実効値を測定します。
cos cos ... 余弦波入力の実効値を測定します。
sin cos ... 正弦波と余弦波の位相のズレを測定します。
cos sin ...   〃  もし上と結果が違っていたら問題ですが。

ABB sin ... 自動平衡ブリッジ出力の正弦波成分を測定します。
ABB cos ... 自動平衡ブリッジ出力の余弦波成分を測定します。
         正確にはこれは余弦波成分と異なることがありますが
         X=sin, Y=cosの測定データから純粋な余弦波成分を算出することができます。

以上で必要なものは揃いますがYでABBの選択をを可能にしておいて

ABB ABB ... 自動平衡ブリッジ出力の実効値を測定します。 
          これは検算=測定結果の妥当性の検討=に使えます。

も測定できるようにしておいた方がよさそうです。


LCRメータのコントロールパネル - 製作編」に続く

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自動平衡ブリッジの回路図です。トグルスイッチがいっぱいありますがこれをロータリースイッチ2個にまとめます(注釈は「」
Photo_3

LCRメータのブロックダイアグラムです。
Photo_2

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