定電流回路(VIコンバータ)の安定性を調べてみた
今回は「思わぬところで見つけた負性抵抗 - 定電流回路(バイラテラル回路)」で作った定電流回路の電流の安定性を調べてみました。
これまで“定電流回路”と書いてきたのですがよくよく考えるとVrefに比例した電流が得られるわけでVIコンバータ(VI変換回路)とした方がいいかもしれません。
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使った回路は「思わぬところで見つけた負性抵抗 - 定電流回路(バイラテラル回路)」のままです。Vref=2.5V、電流を決めるための抵抗2.3kΩ、RL=100Ω(1000B)としてありますので100Ωの抵抗には1mA強の電流が流れることになります。
これを半日動作させて電流の変化を調べてみました。
グラフは100Ωの端子電圧から求めた電流です。100Ωの抵抗は精度がよく温度係数も小さいので端子電圧は電流を示していると考えていいと思います。
電流はほぼ1.08538mAを保っています。最初の一時間くらい1.08530mAになっていますが理由はよくわかりません。回路が安定するのに一、二時間かかるのかもしれません。
MCP3425は電源投入直後に基準電圧がドリフトするように思われるのでそれが原因かもしれません。
途中で1.08545mAになっているところが二箇所あります。ちょうど温度が急激に下がったところと一致しています。温度が下がっているのは深夜窓を開けたためです。実験中にはふつうこんなことはしないので数時間の実験であれば安定した定電流が取り出せると考えてよさそうです。もっともこれだけのデータで温度が下がると電流が増えるという結論は出ますのは早すぎますが。
なおここでいう1mAというのは1000Bの抵抗の端子電圧を測ったらMCP3425(PGA=8)の測定値が0.100000Vになったときの電流、というだけの意味で確度は確かめていません(今の私には確かめようがないです)
また温度はサーミスタで二箇所を測定しています。Tth1はサーミスタ単体でMCP3425が載っている基板の近く、Tth2はアルミパイプに封入したサーミスタで定電流回路の基板の近くにおいてありました。B定数の温度変化と自己発熱は補正済みです。
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参考
「白金抵抗温度計の校正とその使い方 - JCSS:計量法認定」
「JEMIC 計測サークルニュースVol.26, No.2 ~ 4 連載(1997) - 浜田登喜夫 - 白金抵抗温度計の校正とその使い方」
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