ハンダ付けのときのデバイス内部の温度を測る - RTD/白金薄膜抵抗編
デバイスはそれぞれ使用温度/保管温度が絶対最大定格で決められています。ハンダ付けのときその温度を超えないか心配になるわけですがデバイス内部の温度測るのは難しいです。工夫すれば測れるものもいくつかありそうに思えますが....
今回は練習ということでいちばん測るのがやさしそうな、というかそのために作られているようなRTD(白金測温抵抗体)の温度を調べてみました。
次回はもう少し難易度の高いものでやってみる予定です。
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対象は秋月で買った“超小型 白金薄膜温度センサ R0K1.232.6W.B.008(100Ω)”です。
ずいぶん小さいです。左側のくにゃくにゃしているのは0.8mm径の糸ハンダです。リード線は0.2mm径のニッケルメッキ白金線です。リード線がくっつかないように間に紙をはさんでいます。
ハンダ付け失敗例。
このままだとだんごになったハンダが邪魔になってシースに収められません。
細いリード線に外部に引き出す配線を二本ずつはんだづけしなければならないのでたいへんです。
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ハンダ付けしているときの温度変化をグラフにしてみました。温度は__そのためのデバイスですしちょっとは校正もしていますからあたりまえですが__けっこう正確です。
拡張不確かさは
±0.6℃ (100℃)
±0.4℃ (70℃)
±0.2℃ (40℃以下)
と評価しています。
Aがハンダ付けを始めリード線と配線がくっつき温度が測れるようになった直後です。ここでいったん離れBで再度くっつきます。ハンダのノリや形が悪くC,Dと二回ハンダ付けをやり直しています(EとFはちょっとヘンですが何が起きたのかよくわかりません。記憶があいまいで...)
内部の温度って意外に上がらないものだという印象を持ってしまうのも使用可能温度範囲 -200℃~600℃のデバイスを実験材料にしている余裕でしょうか。これが1N60だったら完全にアウトでしょう。
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