氷点・摂氏0度の作り方と使い方 - センサーの位置と温度の関係
氷点を正しく作れるかということとその状態でのサーミスタや(白金)測温抵抗体の抵抗値を測るかということは別の話です。今回はセンサーの水(氷水)中での位置とそこで得られた抵抗値・温度の関係を調べてみました。
こういうのを考えたり実験するときは「氷点を電気的モデルで考えてみた」みたいにモデル化しておくと考えやすいと思います(このモデルが正しい=実態を反映しているかは自信ありませんが)
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氷点を作った魔法瓶の口からセンサーを入れセンサの位置とサーミスタの抵抗値を調べます。魔法瓶のなかはおよそ上2/3が水と氷の混在状態、下側1/3は水のみになっているはずです。
まずセンサーを魔法瓶の底に置きそこから2~3cmくらいずつ引き上げて行き抵抗値を測りました。二回繰り返しましたが一回目はセンサーへの配線をいったん水中で折り返しています。二回目はふつうにセンサーを垂らして測っています。
左側のG、右側のFがもっとも深いところでどちらもかなり抵抗値が低くなっています。どちらも“水”の領域で暖かくなった水が底に溜まっているものと思われます。
左と右でかなり差がありますが左側は配線を折り返しているためセンサーが底に近いところまで下ろせないためだと思います(二回目の実験は15分経っているので内部の状態が多少変わっているのかもしれません)
そこから引き上げて行くと少し抵抗値があがり左側のFからEのところ右側のEからDのところで急に抵抗値が上がります。どちらもここで水の領域から氷水の領域に突入したところだと思われます。これは実際にやっているとするすると上がっていたセンサーが氷にぶつかってガラガラいう音が聞こえるのですぐにわかります。左右で抵抗値の落差(?)が異なりますがこれは境界を調べて正確にその前後でやっているわけではないのでおかしくはないでしょう。
氷水の領域に入ると抵抗値の変化は小さくなりますが水面に近づくほど抵抗値が高くなっていきます。つまり温度は下がって行きます。
最後のAのところはセンサーの先端が水面のすぐ近くまできたところです。多少左側の方が抵抗値が高いので配線を水中で折り返す効果は少しは出ているようです。
Aの前にXというところがありますがこれはセンサの位置が水面のすぐ近くになるように調整しているところです。右側の方はそのあとまたBの位置で測っていますが、これはBの測定中にセンサーの位置がずれてしまったのでやり直しているところです。
抵抗値ではイメージがわかないと思うので測定温度のグラフも作ってみました。
温度は温度測定値と“この実験環境における水道水と水道水で作った氷の平衡状態の温度”の差です。氷点が正しくできあがっているとすると水温ということになります。
(これはサーミスタの自己発熱を含めて平衡状態になっている温度を0℃としていることに注意してください)
まず魔法瓶の底は平衡状態にくらべ0.2℃ほど高くなっていることがわかります。また氷水の領域に入るとほとんど差はなくなり水面のすぐ下を含め0.05℃以下になります。
配線を折り返している左側では水面のすぐ近くでも差は0.02℃しかありません。
時間が経つと氷が融けていくことも考えるとセンサーは配線を折り返して水面からちょっとだけ離れたところに置くというのがよさそうです。
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関連
“温度”について
「氷点 - 摂氏0度の作り方」
「センサーの位置と温度の関係」 (この記事)
「氷点が氷点であることの判断基準」
「氷点は何時間維持できるか?」
「氷点を電気的モデルで考えてみた」
「正確な温度を求めて (1)」
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「PICで作る温度計のセンサー比較(I2C/SPI温度センサ、サーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体、pn接合など)」
「温度センサ(サーミスタ・熱電対・(白金)測温抵抗体)の誤差」
サーミスタについて
「サーミスタで温度を測る - 温度と抵抗値の相互変換 - B定数について」 (この記事)
「PICで作るお手軽サーミスタ温度計 (2) - ソース付き」
「サーミスタで正確な温度を測るコツ - 基準抵抗(R0)、B定数、熱拡散係数、...」
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「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)」
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