I2C温湿度センサーAM2321の湿度を通風(熱電対)乾湿球湿度計とくらべてみた
通風乾湿計がまがりなりにもできましたので今度は一晩中湿度の測定を続けまたAM2321の湿度とくらべてみました。
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余談ですがAM2321は温度の測定に関しては(室温付近に限れば)なかなか正確です。
「温度センサー3種の精度比較(摂氏0度~40度編)」に書いたように実用的には申し分ない精度を持っています。今回も比較してみました。氷点で校正した1/3 DIN(1/3 B)の(はずの)測温抵抗体との比較です。
全体的に測温抵抗体の測定値とよく一致しています(この場合“一致している”というのは“とても正確である”という意味になります)
最初と最後多少乖離しているところも見られますが窓を開けていて風が吹き込んでいたためでしょう。二つの温度計は5cmくらいしか離れていないのですが、風が吹いていたりするとこんなことになります。これだけ温度が上下すると温度分布のムラ以外にレスポンスの違いも測定値の違いとなって現れます。
こういうのを見ると日常的な意味では温度計の1℃以下の違いをどうこう言ってもあんまり意味がないことを感じます。いつも書いている“1秒まであっていたら正確な時計”と同じです。
と書きつつ温度も時刻もあくまで分解能・不確かさの追求を続けるわけですが.... (^^;;
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ほぼ7時間に渡って湿度を測定した結果です。
赤が通風乾湿計、紫がAM2321、青は室温(Pt100)です。
通風乾湿計もAM2321も同じ動きをしています(最初だけは湿球が濡れていないので動きは違います)
常に数パーセントだけ通風乾湿計が高い湿度を示しています。
ところで「熱電対の規準起電力はあてになるか?」に書いたように今使っている熱電対は起電力がTypeKの規準起電力よりちょっと小さいように思えます。
上のグラフはK型熱電対規準起電力から求めた温度係数を使って乾湿球温度差を求めていますので「熱電対の規準起電力はあてになるか?」の結果をもとにこの熱電対は規準起電力より5%起電力が小さいと仮定してグラフを作りなおしてみました。
その後熱電対の起電力について再度調べたところ「熱電対の規準起電力はあてになるか?」の結論は間違っているようです。そういう事情でここにあったグラフはいったん削除します。とてもいい一致を示すようになりました。この場合は一致しているということは正確であるということを意味しませんが....
今後熱電対の正確な起電力の測定を行い、また露点の測定を行って乾湿計の測定結果と比較してみるつもりです。
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なお前前記事でkmnkさんからJISで定められている湿度の校正法(の一つ)を教えていただきました。
「エヌケイエス株式会社
- ガッテンシリーズNo.104【湿度:塩で湿度環境がつくれる? その1】」
調べてみるとこれは蒸気圧降下を利用する方法のようです。そして、いまさらですがなぜ“塩化リチウム露点計”で湿度が測れるのかわかりました (^^;;
測れる理由は「気象庁 - 気象観測の手引」にも書いてないこともないのですが予備知識のない素人にはわかりにくい内容だと思います。素人が読むことは想定していないのでしょうが.....
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「記事一覧(測定、電子工作、天文計算)」
湿度
「相対湿度を測ってみた - K型熱電対とPICで作る乾湿球湿度計」
「湿度の計算方法 - K型熱電対とPICで作る乾湿球湿度計 」
「I2C温湿度センサーAM2321の湿度をPIC/熱電対乾湿球湿度計とくらべてみた」
「通風乾湿球湿度計をありあわせの材料で作ってみた」
温度
「正確な温度を求めて (1)」
温度センサ
「PICで作る温度計のセンサー比較(....、熱電対、白金測温抵抗体、....」
白金測温抵抗体(白金薄膜抵抗)について
「(趣味の)白金抵抗温度計の製作 - 準備編」
熱電対
「熱電対起電力を直接測定できる22bit(20.6bit)ADコンバータMCP3553」
「熱電対の起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換」 (-20℃~120℃編)
じつは今回使った熱電対の測定値はちょっとあやしいです。
「熱電対の規準起電力はあてになるか?」
気圧
大気圧センサ
LPS331AP
「PICでI2C - 大気圧・温度センサーLPS331APの使い方」
測定全般
「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)」
「I2C温湿度センサーAM2321の湿度をPIC/熱電対乾湿球湿度計とくらべてみた」
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