I2C温湿度センサーAM2321の湿度をPIC/熱電対乾湿球湿度計とくらべてみた

熱電対で乾湿計を作ろうとしているわけですが、なんとか測定できそうですし湿度計算の方法も見えてきました。

さっそくI2C温湿度センサーAM2321の湿度測定値と比較してみました。今回はどちらが正しいという話じゃありませんが....

======

測定回路は
　　室温測定　基準電圧源=電圧電流変換回路=Pt100=16bitADコンバータMCP3425
　　室温測定　基準電圧源=電圧電流変換回路=サーミスタ=16bitADコンバータMCP3425（予備・テスト中）
　　湿度測定　TypeK熱電対=20.6bitADコンバータMCP3553（乾湿球温度差測定）
　　湿度測定　I2C温湿度センサーAM2321
　　気圧測定　I2C/SPI大気圧温度センサーLPS331AP（蒸気圧の計算に気圧が必要）
からなっています。ある意味これまでの集大成です (^^;;

ブロックダイアグラム


乾湿球の温度差をどうやって測るかとか湿度をどうやって計算するかは

　　「相対湿度を測ってみた - K型熱電対とPICで作る乾湿球湿度計」
　　「湿度の計算方法 - K型熱電対とPICで作る乾湿球湿度計 」

にありますのでさっさと結果を示します。
ただしあんまりいい結果ではないです。AM2321の湿度測定結果に不安を感じた方は
　　「I2C温湿度センサーAM2321の湿度を通風(熱電対)乾湿球湿度計とくらべてみた」
のいちばん最後にあるグラフをご覧になって安心(?)してください (^^)


湿球を濡らしうちわであおいで乾湿球の温度差が安定するまで待ちます。この温度差と室温、気圧から（相対）湿度を求めます。70%でした。

一方AM2321の測定値は65%程度と5%くらいの違いがあります。

現時点ではどちらが正しいかはわかりません。この温度・気圧での5%の湿度の差は乾湿球の温度差の1℃の違いに相当します。

乾湿球の温度差は冷たい水で濡らしたというようなことでもない限り小さめに出ると思われるので測定を繰り返し誤差の要因を分析し乾湿球の温度差の精度・安定性をあげて行きたいと思います。

ちょっと心配なのはこの熱電対は起電力が規準起電力よりちょっと小さいようで、その影響です。今は規準起電力の近似式を微分したものから温度係数を求めて乾湿球の温度差を決めています。この方法だと温度差は小さめに出てしまいます。ただそれだけで4.8℃の温度差が3.8℃になるとは思えません。

まず水壺と通風装置を作って連続測定ができるようにしたいと思います。

--------

関連

「記事一覧（測定、電子工作、天文計算）」

　　湿度
　　　　「相対湿度を測ってみた - K型熱電対とPICで作る乾湿球湿度計」
　　　　「湿度の計算方法 - K型熱電対とPICで作る乾湿球湿度計 」
　　　　「I2C温湿度センサーAM2321の湿度をPIC/熱電対乾湿球湿度計とくらべてみた」 （この記事）
　　　　「通風乾湿球湿度計をありあわせの材料で作ってみた」
　　　　「I2C温湿度センサーAM2321の湿度を通風(熱電対)乾湿球湿度計とくらべてみた」

　　温度
　　「正確な温度を求めて (1)」
　　　　温度センサ
　　　　「PICで作る温度計のセンサー比較（....、熱電対、白金測温抵抗体、....」
　　　　　　白金測温抵抗体（白金薄膜抵抗）について
　　　　　　「（趣味の）白金抵抗温度計の製作 - 準備編」

　　　　　　熱電対
　　　　　　「熱電対起電力を直接測定できる22bit(20.6bit)ADコンバータMCP3553」
　　　　　　「熱電対の起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換」 （-20℃～120℃編）
　　　　　　　　　じつは今回使った熱電対の測定値はちょっとあやしいです。
　　　　　　　　　「熱電対の規準起電力はあてになるか？」

　　気圧
　　　　大気圧センサ
　　　　　　LPS331AP
　　　　　　「PICでI2C - 大気圧・温度センサーLPS331APの使い方」

　　測定全般
　　　　　　「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ（技術要素一覧）」