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2015年6月 5日 (金)

定電流(バイラテラル)回路の内部抵抗を測ってみた

先日作った定電流回路(バイラテラル回路)の調子がいいのでもう一つ作ってみました。
(白金)測温抵抗体用に作ったのですが、測温抵抗体は三つあるし、サーミスタ測定用にもあれば便利そう、定電流というより電圧電流変換回路だからpn接合の順方向電圧の測定にも使える、という理由からです。

今回作ったものは「サーミスタ/白金測温抵抗体/pn接合による温度測定のための定電流電源(バイラテラル回路)」に書いたものがベースですが違うところもあります。
Imgp96381000

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A.、B. 基準電圧源はありません。「22ビット(20.6bit)ADコンバータMCP3553の使い方」で作ったものから供給します(REF5030)

C. 基準となる抵抗の取り付けはターミナルブロックから四線式のコネクタに変更しました。
測温抵抗体のときは基準となる抵抗は100.00Ωの抵抗になるのですが、これだとターミナルブロックでも安定した測定ができなかったからです。

写真ではわからないのですが、じつはもっと大きな違いがあります。左側のオペアンプの上下にある4本の抵抗なのですが、前回は0.05%くらいまで一致するように選別したのですが今回はさらに0.005%以下まで一致するように選別しました。

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こんな回路で定電流源の出力抵抗を測ってみます。
No2

参照電圧は3V、電流を決定するための抵抗は56kΩ(5602B)です。電流は0.0535mAになり、これはサーミスタ用の設定です(測温抵抗体の場合は1mAくらいにします)

10kΩ(1002B)の抵抗での電圧降下を調べるます。まず150kΩ(154J)を直列に入れて電圧を測り次に150kΩの抵抗をバイパスして測ります。

もし定電流源が理想的なものなら(つまり上図でR=∞)ならば10kΩの両端の電圧は変化しないはずですが、変化すればその変化から定電流源の内部抵抗Rの値を知ることができます。

こんな結果が得られました。
No2_2

150kΩの抵抗が直列に入っているときよりバイパスしたときの方が電圧が下がっています。今回も定電流源の内部抵抗はマイナスになっているようです。

直列に抵抗が入っているときの電圧が次第に低下しているようですが、ひとまず中央付近のデータを使って内部抵抗を計算してみました。

150kΩ直列のとき  0.53475V
150kΩなしのとき  0.53464V

定電流源の等価並列(内部)抵抗 -730MΩ

何の不満もない値となっています。
もう少しがんばって選別したら1GΩを超えたかもという気がしそこはちょっと残念です (^^;;

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ところで10kΩだけのときの電圧はそんなに変化していないのに150kΩの抵抗が直列に入ったときの電圧がじょじょに下がって行くように見えるのが気になります。

最初炭素皮膜抵抗だから抵抗値が変化しているのではないかと思ったのですが、そのくらいでこんなに変化するわけはありません。150kΩ抵抗が小さくなっても0.1mVくらいしか電圧は変化しないわけですからこんな変化は10kΩオーダーの抵抗値の変化がないと発生しません。

抵抗値が大きいとき変化が大きいという現象だけ見ればバイアス電流の影響のようにも思えます。サーミスタの場合抵抗値の変化はせいぜい20kΩくらいなのでしばらく使ってみて様子を見てみたいと思います。

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