目で見るサーミスタの自己発熱 - 熱放散係数を求める

サーミスタが通電したとたん自己発熱で温度が上がっていく様子を目で見てわかるように測ってみました。

自己発熱についてはこれまで何度も記事にしたのですが、自己発熱の測定はけっこう面倒ですし（測温抵抗体ほどではないものの）けっこう測定精度が要求されます。そして自己発熱の具体的な数値は数字をこねくり回したあとで出てくるので読んだ方に、ほんとかなあ～、と思われているかもしれません。

今回はどなたがご覧になっても、ああなるほど、と思われるような実験になっていると思います。

なお今回はアルミパイプに収めたサーミスタの氷水の中での自己発熱です。サーミスタをふつうに使ったときにくらべると自己発熱はずいぶん小さくなるのでこの記事を読んで、サーミスタの自己発熱ってたいしたことないんだ、思わないようにしてください。

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1秒間に5回ほどサーミスタの端子電圧を測れるようにした上で測り始めた直後にサーミスタに定電流源から電流（0.0539mA）を流します。



電流を流し始めた直後の抵抗値は26.82kΩあるのですがすぐに抵抗値が下がり始めます。流して電流に応じた熱が発生しサーミスタの温度が上昇するので抵抗値が下がる、という様子が見てとれます。

右側は1分後くらいに再度測ったものです。ここでは抵抗値は一定になっており電流を流し始めたときから13Ωほど抵抗値が下がっていることがわかります。

これを温度のグラフにしてみます。


上の抵抗値の変化が0.02℃くらいに相当することがわかります。

RI^2でこのときの発熱量がわかるのでそれを温度の上昇値0.02℃で割ると熱放散係数が求まります。3.9mW/Kとなります。前回測ったときが4.8mW/Kでしたのでちょっと小さい数値になっています。これから双方の実験方法や結果のあ使い方に問題がないかチェックするつもりです。

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