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2015年6月20日 (土)

測温抵抗体と熱電対とサーミスタの温度測定値を比較してみた

三つの代表的な温度測定方法の測定結果を比較してみました。

今朝“熱電対の測定結果はすばらしく精度がいい”という趣旨の記事を書いたのですが、今回の記事を準備しているときデータの処理に間違いがあることに気が付きお詫びを追記しなければいけなくなりました。そちらについては訂正記事を準備中です。

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測温抵抗体、熱電対、サーミスタでそれぞれ抵抗値、起電力(電圧)、抵抗値を測り公式通り計算して温度を算出した結果です。

つまり抵抗・電圧の測定値とデータシート等の資料にあるデータだけで温度を求めています。
Pt100

青い線が測温抵抗体(Pt100)、ピンクがサーミスタ、赤が熱電対です。

どれが正しい(と思われる)温度でしょう?
  

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測温抵抗体(Pt100、白金薄膜抵抗)はRSオンラインで購入したものです。メーカも不明、詳しい仕様もわからないのですが精度が“1/3 DIN”となっていたので購入しました。詳しい仕様がわからないと言ってもPt100の温度と抵抗の関係は決まっていますので使うのに困ることはないです。

サーミスタはNXFT15XH103FA2B(10kΩ±1%、B定数3380K±1%)です。

熱電対は秋月電子通商の“K型熱電対 プローブ”(ステンレス管を使ってない安い方)です。

いずれもアルミパイプに収めそれを三つ束にしてティッシュでくるみ布の袋にいれて測りました。熱電対の冷接点はプラグをはずし同じくアルミパイプに収め0.0℃の氷水につけてあります。

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測温抵抗体は抵抗値R[Ω]を測定し次の式で温度を求めました。R0=100Ωとします。
  T = -(0.39083-SQRT(0.39083*0.39083+4*0.00005775*(R0-R)))/2/0.00005775

この式は温度が0℃以上のとき使う式です。
(詳細は「(白金)測温抵抗体(白金薄膜抵抗)の使い方 - 基礎編というか入門編というか....」)
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サーミスタは抵抗値R[kΩ]を測定し次の式で温度を求めました。R0=10kΩ、B=3380K、T0=25℃とします。
  T= 1 / (  ln(R/R0) / B + 1/(T0+273.15) ) - 273.15

(この式はBが一定とすれば25℃近辺ととB定数を定義したもう一点の近辺でだけで正確な温度が求まる式です。詳細については「サーミスタで正確な温度を求める方法 - 抵抗値-温度変換計算の精度と誤差」などを参考にしてください)

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熱電対は起電力E[μV]を測り次の式で温度を求めました。
  T=((0.000044*E/100-0.004160)*E/100+2.538000)*E/100

この式は上の二つと違って規準起電力表をもとに私が独自に作った-20℃~120℃で使える近似式です。
(「K型熱電対の起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換」、「T型熱電対の規準起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換」)
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この中で許容誤差がいちばんちいさいのはPt100です。この温度帯での許容誤差は±0.14℃です。でもこの温度帯ならサーミスタも負けていません。25℃なら許容誤差は±0.25℃です。

グラフを見るとサーミスタとPt100の測定値の差は0.05℃もないわけでどちらも正しいという結論でもいいくらいです。

一方熱電対はちょっと水を開けられています。ただ熱電対の許容誤差はこの温度帯でもけっこう大きい(Cllass1でも±1.5℃)ので間違った測定値が得られたというわけでもありません。

熱電対については室温が伝わって冷接点が暖められているのではないかという疑いもあるのでそれについては調査中です。

<=== ここで使っている熱電対は秋月の“K型熱電対 ステンレス管タイプ”なのですが、これは銅・コンスタンタンの補償導線が使われていました。この実験では熱接点と補償接点が同じ温度になっているので実際は補償導線の熱起電力を測っていることになります。この補償導線の熱起電力がT型熱電対と同じかどうかはまだ調べていません。
(「
K型熱電対 ステンレス管タイプ(秋月電子通商)による温度測定」)

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じつはPt100は氷点での抵抗値測定を行っています。つまり上の式でのR0の値がわかっています。上のグラフはR0は100Ωとして計算したものを使っていますが実際は100.02Ω±0.01Ωでした。この値を使って温度を計算しなおし作ったグラフがこれです。
Pt100_2

Pt100のグラフがサーミスタのグラフにぴったり重なりました。この温度が正しいというわけでもないでしょうが、サーミスタは校正なしで使ってもこの温度帯であればけっこう正確です。

今回はアルミパイプに封入した熱放散係数が大きいものを使っているので自己発熱の影響は考慮していませんが、実際にはサーミスタの方がPt100より自己発熱の影響がちょっとだけ大きいです。そこまで考えるとサーミスタのグラフは上のグラフの線幅分くらい下になります。

Pt100(1/3 DIN)の本来のR0の許容誤差は±0.04Ωでそれが±0.01Ωになったことによりこの温度でのPt100の許容誤差は±0.07℃につまります。これを前提に考えるとこのサーミスタの25℃での抵抗値は10.015±0.020kΩくらいです。精密抵抗というか超精密抵抗なみです。

<=== ここは勘違いがありました。Pt100の0℃での抵抗値の誤差はここでは問題ではなく、氷点の実現精度、測温抵抗体の測定誤差とサーミスタの抵抗値を測るとき基準となる抵抗の誤差でサーミスタの抵抗値の誤差が決まります。最初の氷点の実現精度が問題ですが10.015±0.02kΩと言ったところでしょうか。精密抵抗なみなのは間違いないです。

サーミスタについてはこれから0℃~55℃くらいでB定数を実測してみる予定です。
(「計測の腕が試される? サーミスタの抵抗とB定数の測定」など参照)

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