はんだの融点(共晶点)で熱電対を校正できるか? - 1
はんだの相図(状態図)を見るとふだん使っているSn60-Pb40のものだと温度を上げていったとき固相からいったん液相と固溶体の混合状態になりそれから液相に移行するようです。
となるとじょじょに加熱した場合相変化が起きるところでは熱が吸収されるでしょうから次のような温度変化になるものと思えます(ほんとうにこうなるかまだ確認できていません)
その後あらためて相図やその説明を読んでみたのですが、上の考え方は間違っているのかもしれません。共晶点に達したら錫と鉛が(そのときの温度に応じた比率で)じょじょに液相に移行するということなのかも。つまり下図のような階段状ではなく折れ線状になるのでは、ということです。
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「はんだの融点(共晶点)で熱電対を校正できるか? - 1」
「はんだの相転移を検出できた!? - 共晶点と熱電対温度計」
「はんだの融点/共晶点と過冷却現象 - 熱電対温度計の校正に向けて」
「はんだの融点/共晶点での相転移と過冷却現象 - 熱電対温度計の校正に向けて」
もしこういう変化をするとすれば加熱したとき温度がしばらく変化しなくなるところを見つけられればかなり正確に温度を知ることができます。液相と固溶体+液相の境界はどんな資料を見ても183℃(=共晶点)となっています。
特にSn61.9-Pb38.1の共晶はんだであれば固相から液相に一気に移行するので温度が確実にわかりそうですが、そういうものは持っていないのでふだん使っているはんだでやってみることにしました。
まずはんだゴテの先端にコンスタンタン線と銅線をはんだ付けしてしまいます。
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コンスタンタンが太く見えますが、これは線径が0.65mmあります。ただコンスタンタンは熱伝導率が低く銅線に換算すると0.15mmにすぎません。銅線の方は撚り線をほどいた線径1/20mmくらいのものを使っています。
昔作った流通角制御のコントローラを使ってはんだゴテをゆっくり暖めていきます。
熱起電力が6760μVに達したところで銅線がはずれてしまいました。ここではんだが溶けたのでしょう。
熱起電力が6720μVのところが183℃と仮定すれば、この熱起電力は183℃と室温の差に対するもののはずです。熱起電力の温度係数は一定とさらに仮定して上のグラフを温度の変化に作り直してみました。あんまり意味がありませんが。
今回はこれで終わりです。
(続きは「はんだの相転移を検出できた!? - 共晶点と熱電対温度計」)
なんとかして共晶点がどこだかはっきりつかみたいものです。
ところでT型(銅・コンスタンタン)熱電対とすればこの条件での起電力を規準起電力表で調べると7000μVを超えるはずですがこのコンスタンタンは補償導線に使ってあったもの(「補償導線で熱電対を作る - コンスタンタンの電気抵抗(体積抵抗率)」参照)なので、まあこんなものだろうとあんまり気にしないことにします(心の片隅では、もしかしたら天ぷらだったのかも、というのはありますが)
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「熱電対の起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換」 (-20℃~120℃編)
「熱電対の起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換 (250℃~1300℃編)」
参考
「学習院 - 仲山英之・石井菊次郎 - 2-1 温度測定」
「岩手大学農学部 岡田益己 - 温度の正しい測り方(3)熱電対の作り方・使い方」
「アナログ・デバイセズ - 熱電対温度計測に関する不明瞭な部分の理解」
「株式会社東京熱学 - 2-3 熱電対の許容差」
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