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2015年7月31日 (金)

海面下6500mの水圧は657気圧? - Excelで水深と水圧の関係を計算する

各方面の資料を検討したり再度自分で計算したりした結果、(現時点では)水深6500mの水圧は660気圧(atm)弱ではないかと思っています。これは約680kgf/cm^2に相当します。
海洋学では1kgf/cm^2を1気圧(工業気圧)とする換算をするのかも....

  「水深と海水の密度・水圧の関係 - 海水の状態方程式

理屈はいいから水深から水圧を計算する方法を教えろという方は

  「水深から水圧を求める計算式(海水編) - ρghでは計算できない深海用

へ。

(2015.08.02 08時)
----------------------------------

前回の記事で海水の状態がよくわからないから水深と水圧の関係を計算できない、と書いたのですが、今回は適当に仮定して実際に計算してみました。

その後海水の状態は実測データが入手できることがわかりました。
  「
海水の塩濃度(PSU、塩分)、水温と水深の関係
下記の前提でもさほど問題はなさそうです。


計算の前提
  大気圧 1 atm
     これは水圧にプラスされるだけなので特に神経質になる必要はありません。
  重力加速度 9.80665 m s^-2
    “標準のg”とされる値です。
    水深が大きくなるほど重力は小さくなるはずですが、6500mというのを
    地球の直径と比較するとりんごの皮一枚もないわけでこれもあんまり気にする
    ことはないと思います。
  海水温
    深層での海水温は低いらしいので0℃としました。
  塩濃度
    35 g/kg としました。深層では塩濃度が上昇するのはわかっているのですが
    具体的な値がわからないので表層の平均的(?)な値を使っています。

    実測データの深層の塩濃度を見るとだいたいこんなもののようです。

重力加速度、海水温、塩濃度は一定と仮定し
  「Little Waves - 海水の密度
にある式を使って海水の密度を求め、10mステップで数値積分し水圧を求めました。

35pmi

水深と水圧の関係 - 海面下6500mでの水圧は? (1)」に書いたようにほんとは

  ∫ρ(x)g(x)dx / 101325

とすべきですが、ここでは

  ∫ρ(x)gdx / 101325

としています。上に書いたようにg(x)を定数と考えても大きな影響はないと思います。

--------

上の仮定(前提)だと水深6500mで657気圧になります。圧力では体積(密度)がほとんど変わらないはずの水ですが、さすがに何百気圧もかかると少しは縮んでしまうようです。
海面での密度が1028kg/m^3だった海水も水深6500mでは1058kg/m^3と3%も変化しています。

ただこれは

  「熊本大学大学院自然科学研究科 - 横瀬久芳 - 水深4000mの世界にようこそ

にある680気圧という値とはかなり違います。

念のために書いておくと水深6500mでの水圧については公的な機関でも違う数値を示しています。
  「
水深6500mの深海の水圧は何気圧? - 専門家でも意見が違う?

約660気圧というのが“正解“のような気がします。

  
  

  

==============
 
塩濃度や海水温を一定としていますが、6500mの大部分は“深層”に属すわけでそんなにムチャな仮定ではないと思います。

いちばん問題なのは塩濃度の値でしょうか。これについてはこんな資料を見つけました。

  「熊本大学 - 横瀬久芳 - はじめて学ぶ海洋学 - 第8回 海水はどうして塩辛いのか

この資料の中にあるグラフを見ると水深1000mを過ぎると塩濃度はかなり高くなるようです。ひょっとしたら100g/kgとかなるのかも。
再度資料を読んでみたのですが、私の勘違いのようです。

以下“現実を無視した”仮定です。深層のPSU(塩濃度)は35前後のようです。
  「
海水の塩濃度(PSU、塩分)、水温と水深の関係

試しに塩濃度を80g/kgとして計算してみました。
80pm

ぴったり680気圧になりました。

深層水の塩濃度はおそらくこのくらいなのでしょう。

<=== これは間違っているようです。上にも書いたように深層の実際の塩濃度(PSU)は35程度です。となるとなぜ680気圧になるのか理由がわからなくなります。

<=== 記事の最初に追記したように海洋学じゃ1kgf/cm^2を1気圧と換算しているのではないかというような気がしてきました。

--------

ところで上の計算(数値積分)はExcelでやっており上の実行結果をご覧いただくとわかるように“海水温、塩濃度が水深にかかわらず一定である”という仮定は必要ありません。
毎10mごとに値を入力しておけばそれをもとに水圧を計算することもできます。
もしデータが入手できたらもう少しちゃんと計算してみるつもりです。

参考までにExcelファイルもダウンロードできるようにしました。
  「ダウンロード Excel_PvsD_00.xls (895.0K)

Excelで使っている数式、数値は資料にあるものを参考にさせていただきましたが、解釈・転記の誤りや数式の組み立てが間違っている可能性があります。
使用される方は必ずご自身で妥当性・正当性を確認した上でお願いします


--------

関連

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  「海面下6500mの水圧は658気圧 - Excelで水深と水圧の関係を計算する
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  「海水の塩濃度(PSU、塩分)、水温と水深の関係

  「測定対象別記事一覧とリンク集
  「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)
  「記事一覧(測定、電子工作、天文計算)

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