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2015年7月 5日 (日)

プロトン磁力計 - 地磁気を測る

その昔“核磁気共鳴(NMR)の共鳴周波数は超再生受信機で検出可能”というにわかに信じられないような話を聞いたことがあります。
量子力学的現象がそんなに簡単にわかるものなのだろうか?というのが疑問です。素直にその疑問をぶつけたら“超再生受信機はいかに感度がいいか”という話を延々と聞かされました (^^;;

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最近温度測定に凝っているわけですが、(±0.1℃程度の不確かさであっても)なかなかこれが正しい温度だと自信が持てない状況です。アマチュアは校正の手段があんまりないので温度に限らず確度を確保するのはたいへんで苦労します。

唯一例外があって周波数、時間だけはそうとうな確度で測定が可能です(「確度0.0005ppmの周波数測定 - GPSの1PPS出力を使った高精度周波数カウンタ」)

そして最近もう一つアマチュアでも確度の高い測定できるものがあることに気がつきました。磁力(磁束密度)です。

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核磁気共鳴の周波数は磁場の強さに比例し、その比例定数は核種で決まっています。理科年表を見ると水素の原子核=陽子(プロトン)がいちばん比例定数が大きくまた感度も高いことがわかります。磁束密度が2.3488Tのとき陽子の共鳴周波数は100MHzになります。
周波数の1ppmくらいの不確かさでの測定はそう難しくはありませんから(原理的には)アマチュアでも磁束密度を5桁(4.3桁?)の確度で知ることができることになります。

いぜん重力加速度を測ろうと思った(「ケーターの可逆振り子の作り方 - 1 - 重力加速度を測る」、測定結果はまだ記事にしていません)のですが2桁かもうちょっとがやっとな感じだったのにくらべると磁束密度ははるかに高い確度での測定ができそうです。

日本各地の地磁気の全磁力も理科年表にあって、それを見ると51μT(礼文島)から46μT(種子島)くらいですから共鳴周波数は2kHz前後ということになります。

なお測定対象は水素原子を豊富に含んでいるものならいいわけで簡単には“水”でしょう(アルコール、炭化水素類でもいいと思います)

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この原理を使った測定器をプロトン磁力計(日本語だと“陽子歳差磁力計”?)というのですが探すと製作記事があります。

  「トランジスタ技術 - 「PSoCを用いたプロトン磁力計の製作」 樋田 啓氏

ただあんまり具体的なことは書いてありません(トランジスタ技術には書いてあったのかも)

さらに探したら原理から具体的な製作方法、測定結果まで書いたものがありました。

  「金沢工業大学 樋口研究室 - 核磁気共鳴の原理

この方法で難しそうなところは二つあって

  1. 共鳴周波数の検出がむずかしい(コイルの起電力は数μV?)
  2. 巨視的磁化を行うために数Aの電流を流す

です。2.の方は難しいというより“めんどう”と言った方がいいかもしれません。

巨視的磁化を行うためにどの程度の磁場が必要か(適当か?)を具体的に書いてあるものもありました。

  「産業技術総合研究所 森尻理恵 - プロトン磁力計の仕組み

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プロトン磁力計を作ろうという気はあるのですが、いつになるかわからないので調べたことを忘れないようにメモ的に書いてみました。

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関連

  「記事一覧(測定、電子工作、天文計算

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