舌下温(口中温)と腋窩温(脇下温) - 測定方法による体温の違い
体温を口の中(舌の下)で測ったときと脇の下で測ったときどう違うのか、というのは体温計メーカの資料に説明したものがありますが、実際に測ってみました。
結論を先に書くと
1.(個人差があると思いますが)
私の場合は舌下温が脇下温より0.4℃ほど高かったです。
2.舌下温は3分くらいで温度が落ち着くように見えるのですが、
脇下温は8分経ってもまだ定常状態になっていないように思えます。
でした。
短時間で測りたいのなら舌下で測った方がよさそうに思えるのですが実際どうなんでしょう。
腋窩温は定常状態になるまで30分はかかるようです。
「2分で終わる舌下温、30分はかかる腋窩温 - 体温を測るのにかかる時間」
(この記事では3分、次の記事では2分になっていますが、これは使っているセンサーが違うためでしょう。腋窩温と違って舌下温の測定に要する時間は温度計の熱容量・熱抵抗に強く依存すると思われます)
その後腋窩温と舌下温を同時に測定してみました。
「脇の下と口の中の体温をいっしょに測ってみた - 腋窩温と舌下温」
さらにこんなショックな(?)結果も
「左脇の下の体温は右より0.3℃高かった - 腋窩温の測定」
「なぜ左右の脇の下で測った体温(腋窩温)が違うのか - その理由を調べてみた」
「腋窩温(脇の下で測る体温)は左右で違うか?」
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体温は測温抵抗体(白金薄膜抵抗 Pt100)で測定しています。測温抵抗体を直径3mm、長さ数cmのアルミパイプに収めた状態で使っています。
氷点での校正を行ってありこの温度帯での拡張不確かさ(k=2)は±0.2℃と評価しています。
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脇の下は温度計をはさんだ後姿勢を変えないようにして測りました。
口の中にものがあるとどうしても口を動かしたくなるので舌下においた後、配線材を手でつかんで固定して測っています。こうしないと細かな温度変化があります。
測定結果
青い線(点)が舌下、赤い線(点)が脇下です。温度(体温)も違いますが、温度の変化の仕方に大きな違いがあることが目立ちます。
口の中には液体(唾液)がありますからおそらく舌下の方が熱抵抗が低いためだと思います。
温度計の表示を見ながら安定したと思ったところで測定をやめたのですが、こうやってグラフにして見るとまだ“伸びしろ”があるようにも思えます。再実験が必要なようです (^^;;
「シチズン・システムズ - よくあるご質問(Q&A) - 電子体温計」を読むともっと時間をかけて測定しないとダメみたいです。もっともふつうの体温計と手作りの温度計を比べるのもヘンですが。
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参考
「大学病院医療情報ネットワーク研究センター - 人体のしくみと働き 2015年度版 - 体温の調節」
「シチズン・システムズ - よくあるご質問(Q&A) - 電子体温計」
関連
「記事一覧(測定、電子工作、天文計算)」
「なぜ左右の脇の下で測った体温(腋窩温)が違うのか - その理由を調べてみた」
「左脇の下の体温は右より0.3℃高かった - 腋窩温の測定」
「腋窩温(脇の下で測る体温)は左右で違うか?」
「脇の下と口の中の体温をいっしょに測ってみた - 腋窩温と舌下温」
「2分で終わる舌下温、30分はかかる腋窩温 - 体温を測るのにかかる時間」
「舌下温(口中温)と腋窩温(脇下温) - 測定方法による体温の違い」
「温度計のセンサー比較(温度センサ、サーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体、pn接合など)」
「(白金)測温抵抗体(白金薄膜抵抗)の使い方 - 基礎編というか入門編というか....」
「脇の下恒温槽と体温計で白金抵抗温度計を校正してみた」
「体温計と魔法瓶で校正する白金測温抵抗体 - 36.5度編」
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