左脇の下の体温は右より0.3℃高かった - 腋窩温の測定
脇の下で測る体温は右より左の方が高い値を示す、ということは先日記事にしたのですが数分間の測定によるものでした。今回は定常状態(平衡)に達するのに要すると思われる30分以上時間をかけて測定してみました。
30分経っても定常状態になっていないように見えますが、これは単純に体温が上がりつつあるだけだと思います。
結論はタイトルに書いたとおりです。先日の結果ともおおむね一致しています。
今回は“事実関係”だけです。“なぜか?”ということについては
「なぜ左右の脇の下で測った体温(腋窩温)が違うのか - その理由を調べてみた」
に書きました。
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温度計を左右入れ替えてもう一度やるべきなのですが、温度計を両脇に入れて何十分もじっとしているのは苦痛で (^^;;
(「腋窩温(脇の下で測る体温)は左右で違うか?」には左右入れ替えた結果があります)
温度測定に使用しているのは三つとも測温抵抗体です。
緑: Class B R0K1.232.6W.B.008(101) INNOVATIVE SENSOR TECHNOLOGY (秋月電子通商)
青: Class B PTFA101B000(101) 岡崎製作所 (秋月電子通商)
赤: 1/3 DIN 362-9856 ? (RSオンライン)
体温の測定に使用したものは氷点及び高精度体温計を使って校正してあり、拡張不確かさ(k=2)は50℃くらいまでは±0.1℃におさまっていると思われます。
またこの青と赤の二つは同じ温度を測定したときの差はこの温度帯であれば0.01℃を越えないはずです。
室温を測定しているものも校正済みなのですが、校正結果が測定値に反映されていません。この温度帯では他の二つに比較し0.1℃前後高く表示されます。
下に室温(実際はバイスで三つの測温抵抗体を固定したときの温度)を測定した結果を示します。
定電流回路で一定の電流を流し測温抵抗体の電圧降下を四線式で測定します。電圧は20.6bitADコンバータMCP3553を使用しています。
ただしNo.1(緑)はちょっと簡略化した測定方法をとっています(ADコンバータも16bitのMCP3425を使っていますので分解能があんまりよくないです)
温度計の測定値の違いを0.01度のオーダーまでチェックするのはけっこう手間と時間がかかります。
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参考
「大学病院医療情報ネットワーク研究センター - 人体のしくみと働き 2015年度版 - 体温の調節」
「シチズン・システムズ - よくあるご質問(Q&A) - 電子体温計」
関連
「記事一覧(測定、電子工作、天文計算)」
「なぜ左右の脇の下で測った体温(腋窩温)が違うのか - その理由を調べてみた」
「左脇の下の体温は右より0.3℃高かった - 腋窩温の測定」
「腋窩温(脇の下で測る体温)は左右で違うか?」
「脇の下と口の中の体温をいっしょに測ってみた - 腋窩温と舌下温」
「2分で終わる舌下温、30分はかかる腋窩温 - 体温を測るのにかかる時間」
「舌下温(口中温)と腋窩温(脇下温) - 測定方法による体温の違い」
「温度計のセンサー比較(温度センサ、サーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体、pn接合など)」
「(白金)測温抵抗体(白金薄膜抵抗)の使い方 - 基礎編というか入門編というか....」
「脇の下恒温槽と体温計で白金抵抗温度計を校正してみた」
「体温計と魔法瓶で校正する白金測温抵抗体 - 36.5度編」
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