中秋の名月にメスティングAを探す - 月の経緯度原点と秤動
せっかくだから月の光学中心(O:左側の緑)、経緯度原点(0.0N,0.0E:右側の緑)、メスティングA(Mösting A/Moesting A:桃色)、メスティング(Mösting:黄色)の位置がわかるようにしてあります。
2015年9月27日 22時45分JST
80mmφ f=700mm + PENTAX Q7
ISO100 1/200秒
このレンズとカメラの組み合わせだと35mm版のカメラでいうとf=3220mmということになります。だからお月さまがおさまりきれません (^^;;
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写真は露出の補正をしただけでアンシャープマスクなどはまったく使っていないのでシャキッとしてませんが、満月(に近い)のでこんなものでしょう。
光学中心と経緯度原点が近い位置にありますので秤動の影響があんまり感じられない月の写真ということになります。つまりほぼ“正面から撮った写真”です。
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経緯度原点には何もないのは地球と同じですが、経緯度原点のかわりにメスティングAというクレーターを目印にすることになっています。
メスティングAというのはメスティングというクレーターに付随する小さなクレータという意味です。なぜメスティングAの方を目印にするかというと小さくて位置を確認するときの誤差が小さくて済むということもあるのですが、もう一つおおきな理由があります。
小さなクレータにもかかわらずすぐにそれとわかるくらいはっきりしています。比較的大きなクレーターでも満月なんかだと(メスティングのように)どこにあるのかはっきりしなくなることが多いのですがメスティングAはすぐにわかります(満月の写真なのでわかりにくいのですが周辺のクレーターとY字形を形作っており、見つけやすいです)
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この画像は「クレーター名入り月面写真を作る - 座標回転の応用例」に書いた方法を使っています。IAUのリストにあるクレーター名を全部入れるとこんなことになります (^^;;
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最初に秤動の影響が小さいと書いたのですが、これは「月の秤動と月の自転軸」にある写真と比較すると納得できます。
月の経緯度原点(経緯度原点(0.0N,0.0E:黄色)から見ると光学中心((O):緑)はメスティングA(Mösting A/Moesting A:黄色)より遠いところにあります。
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関連
「記事一覧(測定、電子工作、天文計算): セッピーナの趣味の天文計算」
「趣味の天文計算」
「クレーター名入り月面写真を作る - 座標回転の応用例」
「ダウンロード IMGP3788-Bullialdus.xls (127.0K)」
「月の座標原点と経度緯度が0度の地点」
「プラトンとその周辺 - 月のクレーター」
「ブッリアルドゥスとその周辺 - 月面のクレーター」
「月の秤動と月の自転軸」
「ケプラーとその従属クレーター - クレータ名入り月面写真」
「直径10km以上の全クレータ名入り月面写真」
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