2015 TB145と2012 DA14を比較する - 小惑星の地球接近
2013年に小惑星が静止衛星の軌道の内側まで入り込むということがありました。幸いそのときの写真がありますのでそのときと今回の2015 TB145の見え方を比較してみます。
なお2012 DA14には367943 Duende という立派な(?)名前がついたようです。
より詳細なグラフが
「小惑星2015 TB145の光度等級、高度、月との離角のグラフ」
にあります。グラフを作るのに使用したデータは
「(NASA JPL) Horizons Web Interface 」
で取得したものを使わせていただきました。
なお方位角と高度がわかっていても見られるわけではないので位置予測図があります。時刻ごとの概要版・詳細版の一覧は
「小惑星2015 TB145の位置予測のまとめ」
にあります。小惑星の位置データの取得方法や位置予測図の作り方もあります。
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2014 DA14は地球のすぐ近くまで来たわけですから動きもすごかったです。上の図からわかるように西の空に現れたのですが、最接近したとき1時間に方位角が50度、高度が30度も変化しました。
今回の2015 TB145はそれほどでもなく最接近するときの動きは1時間に方位角10度であり高度はほとんど変化しません。
ただ光度等級は7等星と10等星の違いがあります。いきおい大口径長焦点のレンズを使うことになるでしょうから“あわただしさ”はそんなに違いがないのかもしれません。
(「小惑星2015 TB145の写真を撮る」参照)
もうすぐにでもイメージトレーニング、リハーサルを始めないと間に合いそうにありません (^^;;
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上の図にある(2013年2月16日)04時25分53秒JSTに撮影した写真があります。
まあふつうの小惑星の写真であんまりありがたみがないのですが、こういうのだったら少しは値打ちが出てくるんじゃないでしょうか。
だいたい14秒おきに撮影した画像5分間分を合成して5秒間で見られるようにしたものです。小惑星が動かないように合成したので周囲の恒星が流れていきます。
小惑星がなんとなく楕円に見えるのはシャッターを開いている2秒間の間にも目に見えて動いてしまうためです。
撮影
PENTAX K-r
TAMRON AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD
アストロトレーサー O-GPS1(時刻の校正が主目的)
f=100mm ISO6400 F6.3 2sec(共通)
2013:02:16 04:25:53~04:30:56
画像は恒星を見やすくするためかなり加工してあります。
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「スペースデブリWT1190Fの最後の一日 - HORIZONSによる位置予測」
「はやぶさ2のスイングバイを東京で見たら - 位置予測の試み」
「アルデバラン食出現時刻早見地図(全国版、2015年11月26日)」
「小惑星2015 TB145の位置予測のまとめ」 (2015年10月31日)
「ラブジョイ彗星の位置予測と見つけ方のまとめ - 2015年1月~2月」
関連
「恒星の位置計算 - ヒッパルコス星表の使い方から大気差の計算式まで」
「過去記事の一覧(天文計算、測定、電子工作)」
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