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2015年10月11日 (日)

掩蔽観測用GPS/1PPS発光器(弐) - 潜入・出現時刻の求め方

“星食観測用1PPS発光器・2号機 - 取扱説明書”の一部です。

そもそも1PPS発光器を作るのは掩蔽の潜入・出現の時刻を可能な限り正確に知るためです。ここでは掩蔽と1PSS発光をデジカメで写した動画からどうやって潜入・出現の知るかについて書きます。

ここに記すのはJCLOへの掩蔽観測報告提出の際、詳細を説明し掩蔽時刻の決定方法として適正であることを確認していただいた手法です。

これについては何度も書きました。特に「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 6」では何も考えずに計算すれば潜入・出現の時刻を求めることができる式(とそのExcelシート)を示しました。ただこれは結果だけわかればいいということでその結果に至る経過がとても分かりにくくなっています。そこで今回はそのあたりが少しはわかるようにと考えて作ってみました。
このへんの理屈は「動画の撮影時刻を知る(1)」あたりに詳しく書いてありますのでそういうのを参考にしていただければと思います。

ところでこの潜入・出現の時刻を知るというのは意外に難しいです。難しいというよりあちこちに“罠”__勘違いしやすいところ__があります。この記事や関連記事を読んで計算のやり方が間違っているんじゃないかと思った方はしばらく時間をおいてもう一度考えていただければと思います。ここに示す計算方法はちゃんと実績があって、最近だと算出した時刻の恒星の位置は「かぐや」の測定した月縁位置と0.01秒(arcsec)のオーダーの差しかないくらいに精度がいいです。

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Excelシートの入力欄(赤い字のところ)に動画から調べた数値を入れていけば潜入・出現の位置が自動的に求まるようになっています。

  ダウンロード EventTime_00.xls (55.5K) <== 項目説明に致命的な誤記あり!

  「ダウンロード SAO145938.xls (56.0K)」 <== 項目説明を修正してあります。

ただこのシートを使うためにはカメラの(実際の)露出時間とセンサーの走査時間を事前に調べておく必要があります。これについても「センサー走査時間と露出時間の測定」のシートで計算できるようにしておきました。これも理屈については「動画の撮影時刻を知る(1)」やそこにリンクしてある記事を参考にしてください。

厳密なことを言うとフレームレート(fps)も実測しておく必要もありますが、潜入・出現の時刻と1PPSの発光を記録した時刻が数分間離れているということでもなければ現実には仕様値で問題なさそうです(少なくともPENTAX Qではそうでした。実測してみたらフレームレートは意外に正確でした)

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1PPSの発光開始あるいは終了の写っているフレームと発光開始・終了の位置(y座標、縦位置)、星像が潜入するあるいは出現する直前のフレームと星像の位置を調べてシートに入力していきます。1PPS発光は開始でも終了でもかまいませんし、掩蔽の前のものでも後のものでも同じように計算できます(じつは1PPSの発光開始や終了の瞬間が写っていないフレームが多かったりします。特にセンサーの走査時間が小さいカメラではその傾向が強くなります

2014/4/7のZC1106(λ Gem)の分析です。使用した画像は「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 6」にあります。昼間の掩蔽のように見えますが時刻表示がUTCであるためです。

2014/12/26のSAO145938の分析です。使用した画像は「SAO145938掩蔽(星食)観測報告(2014.12.26)」にあります。

Eventtime01_a

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こちらは露出時間やセンサーの走査時間を求めるためのシートです。

センサー走査時間を先に求めます。センサー走査時間はシャッタースピードを最速にして測ります。

露出時間は観測時のシャッタースピードで測ります。開始と終了のフレームと発光位置から求めるのですが同一の発光の開始・終了でなくてもかまいません。

いずれもフレームレートが正しいことを前提にしています。気になる方はフレームレートも実測してください。

Eventtime00a


もとのExcelファイルには項目説明に致命的な誤記があったのでダウンロードファイルと説明を差し替えました。露出時間の測定について「終了」とかくべきところを「開始」と書いていました(2015.10.24)

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