まさに“天誅が下る”スペースデブリWT1190Fの大気圏突入 - HORIZONSの位置予測
「スペースデブリWT1190Fの最後の一日 - HORIZONSによる位置予測」の記事を書いていて不思議に思うことがありました。
とてもゆっくりした動きをしているように見え、まるで静止衛星のようです。もちろん静止衛星が大気圏に突入するわけはありません。
ふつう人工衛星の大気圏突入というと地球を周回している衛星が徐々に高度を下げ大気圏に入って燃え尽きるというのをイメージしてしまうのですが、このスペースデブリはまったく違った動きをしていました。
今度は「(NASA JPL) Horizons Web Interface 」から三次元座標データを取得しWT1190Fの時間に対する距離と速度の変化を調べてみました。
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12日18時つまり大気圏突入21時間21分前にWT1190Fは地球(地心)から20万Kmのところにあります。これは距離的に言えば地球より月に近いくらいです。そしてこのときの速度は時速5940kmです。そして徐々に速度を増しながら地球めがけて宇宙空間を一直線に飛んできます(まあ楕円軌道でしょうから一直線ということはないのですがほとんど一直線にしか見えない動きです)
21時間後大気圏突入21分前の13日15時には地心から13000㎞のところに達します。地表から見るとだいたい地球の半径分離れたところにあることになります。このときの速度は時速27,500km(秒速7.6㎞)にもなっています。
一言でいうとまるで月からものが落ちてくるような動きです。こんなのが落ちてきてほんとにだいじょうぶなんでしょうか (^^;;
突入の直前までグラフにしていないのでよくわからないのですが、上のグラフを見ると18時でX、Zがほとんど0になっているのに対しYは10000㎞くらいありますから大気圏をかすめるような形になって、けっきょく地球を周回していた衛星が大気圏に突入するのと同じことになるような気もしますが....
最後までちゃんと調べてなくてすみません。
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参考
「(NASA JPL) Horizons Web Interface 」
関連
「恒星の位置計算 - ヒッパルコス星表の使い方から大気差の計算式まで」
「過去記事の一覧(天文計算、測定、電子工作)」
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