Astrometry.netでオリオン座を遊ぶ
今日ej20k さん(jr2aanさん)がリツィートされたJiro Sakanaka さんのツィートにおもしろいものがありました。
「世事不可强求 - 星の並びから天球上の位置を特定する 」
という記事についてなのですが、この記事も「先日教えてもらった.....」という言葉から始まっているところを見ると今ネットで“拡散中”みたいです。
要するに「Astrometry.net 」というサイトで「「写真から星の座標を得る」アプリ」と「「写真から撮影方向を分析する」アプリ」みたいなことをまとめてWeb上でのサービスとして提供しているということですから、確かにインパクトがあります。
どのくらいの実力があるかは以下に実例を示しますが、この記事にあるよりさらに条件の悪い画像でもちゃんと写した方向を特定できていました。
「Astrometry.net に意地悪してみた - 大気差編」
「Astrometry.net に意地悪してみた - 歪曲収差編」
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こういうのを見ると最初に考えるのは現在進行中の「バーナード星の固有運動と年周視差を測定するプロジェクト」(「バーナード星の年周視差と固有運動の観測・まとめ」)に与える影響でしょうか。
今とんでもない手間をかけている作業を合理化できるのか、というところがとても気になります。合理化でき過ぎて私のやることがなくなったらブログネタがなくなるのでそれはそれで困るのですが... (^^;;
その後数値データの取得方法はわかりました。
「Astrometry.netの数値データを取得する方法 - 検出された星像の位置について」
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今回は撮影条件は省略します。
ふつうに撮ったオリオン座
annotated
小三ツ星のあたり
annotated
小三ツ星 拡大
annotated
トラペジウム
annotated
これ、画角は0.5度しかないわけで、そんなに星像があるようにも思えないのですが頑張ってくれているようです。
red-green
頑張りすぎてノイズまで拾っているようにも思えますが、最大限星像をとらえようとしている努力がすごいです。
試しにオリジナルの画像のトーンカーブを調整して星像を浮かび上がらせたものです。
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「Astrometry.netでオリオン座を遊ぶ」
「Astrometry.netの数値データを取得する方法 - 検出された星像の位置について」
「Astrometry.netの数値データを取得する方法 - FVの使い方」
「恒星の位置計算 - ヒッパルコス星表の使い方から大気差の計算式まで」
「過去記事の一覧(天文計算、測定、電子工作)」
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コメント
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今頃気付きましたが、私のツイートを拾っていただいていたようで、ありがとうございます。
私にAstrometry.netのことを教えてくれたのは、星空案内人で有名な泉水朋寛さんでしした。
投稿: Jiro | 2016年2月15日 (月) 20時40分
コメントありがとうございます m(._.)m
Astrometry.netのおかげでこれまで手作業でやっていたことがずいぶん合理化(機械化?)できました。
貴重な情報を提供していただき感謝しております。
「対数は天文学者の寿命を 2 倍にした」という話がありますが、Astrometry.netもそのくらいのインパクトがあると思います。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: セッピーナ | 2016年2月15日 (月) 21時40分