GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う
「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」 の大前提としてGPS受信モジュールから正確な1kHz出力を得ることができるということがあります。今回は具体的な1kHz出力の方法を記事にします。ublox 6を使ったGE-612Tで1kHz出力ができるのは確認済みです。他にそういうのがあるのかどうかは未確認です。たぶんあるとは思いますが....
その後じつはもっと高い周波数を取り出すことができました。
「2MHzを(10MHzも!)出力できるGPS受信モジュールGE-612T(u-blox6/LEA-6)」
こういうのはけっこうあります。
「高精度10MHzの出力ができそうなGPS受信モジュール」
ただ出力できることとそれが正確であることとはまた別の問題です。
「意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数」
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今回はGE-612Tを使います。PICか何かで1kHz出力のコマンドを送ればいいのですが、プロトコルの仕様書を見ているうちに頭が痛くなりました。そこで不精してu-centerを使うことにします。
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u-centerのダウンロードは次のサイトから行います。
「u-blox - u-center GNSS評価ソフトウェア 」
u-blox 6の仕様やプロトコルを研究したい方は次のサイトから必要なドキュメントをダウンロードしてください。
「u-blox製品のドキュメント・リソース - u-blox 6 モジュールのリソース 」
どのドキュメントを見ればいいのかが問題ですが、Version E2(かVersion E?)あたりではないかと思います。これで私は足りていますが、今一つ自信がないです。
まず“TP”を選択します。そうするとTIMEPULSE(1PPS)の設定画面が表示されます。
(より高い周波数を設定するときは「2MHzを(10MHzも!)出力できるGPS受信モジュールGE-612T(u-blox6/LEA-6)」 にあるようにTPのしたにあるTP5(IMEPULSE 5 )を使います)
Pulse Period が1000msつまり1秒、Pulse Lengthが100msになっているはずです。
(上の図は500msになっていますが、これは私がカスタマイズしていたためです)
1kHz出力用にPulse Periodを1ms、Pulse Length を0.5msにします。
Pulse Duty Cycleが50%になっているのを確かめます。
なおallow asyncにチェックを入れると1PPSあるいは1kHz出力が垂れ流しになりますが、今やろうとしていることとは趣旨が違いますのでチェックをいれないようにします。
(まったく電波がないという状態でない限り正確な信号が出るんじゃないかとも思うのですが未検証です)
これで1kHzが出力されるようになるのですが、このままだと電源を切ったら(つまりバックアップ状態になったら)設定がクリアされてしまいます。
そこでこれを保存します。これはConfiguration ViewのCFGで行います。
sendをクリックするだけなのですが、クリックする前に設定を変えたところがTIMEPULSE出力だけだったかよく思い出していただくようお願いします。
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コメント
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すごく楽しそうです!
色んな測定装置の中心核として使ってみたいですね。
投稿: ほよほよ | 2015年11月16日 (月) 20時44分
このGE-612Tはもう掩蔽観測とは無縁なものとなりつつあります (^^;;
これまで断片的にいろいろやってきたことが全部つながってきた感触があります。そういう意味では楽しくなってきました (^^)
ただ1kHz出力と1PPSの出力をPICなどで切り替えるというのがどうすればいいのかまだよくわかりません。単にマニュアルにあるプロトコル通りメッセージを送ればいいのかもとは思うのですが...
投稿: セッピーナ | 2015年11月16日 (月) 20時58分