JJY受信機を作る - バーアンテナとその特性
JJY受信機のアンテナは最終的にはループアンテナにする予定なのですが、最初は利便性(?)を考えバーアンテナを使ってみることにしました。
単に受信するとか電波時計を作るということだけだったら実際このバーアンテナでも特に問題なさそうです。
「JJY受信機を作る - 続・アンテナとプリアンプ」
上の基板は「JJYを受信する(訂正あり)」に書いた組み立てキットを使ったものです。バーアンテナもキットに含まれていたものです。
下にあるのが今回使うバーアンテナです。
フェライトの大きさがずいぶん違い、これだったらよく受信できるような気がしてきます (^^;;
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このバーアンテナは秋月電子通商 のP-00280という製品(部品セット?)を利用したものですが、現在は扱っていないようです。
秋月電子通商ではPIC16F873使用電波時計キットVer.2 という製品を扱っています。このキットは40kHz用でこれを60kHz用にするためのものがP-00280でした。
P-00280の説明は
「有限会社トライステート - 電波時計60KHz改造キットキット 」
にあるのですが
秋月電子通商で販売の一部ロットに間違って40kHz用アンテナが混入していることが判明いたしました。下記画像をご確認いただき、40kHz用であれば、無料でご交換させていただきます.....
という告知があります。その画像(40KHzと60KHzの確認方法 )を見るとキット(40kHz用)とP-00280(60kHz用)はバーアンテナ自体は同じもので同調用のコンデンサーだけが123J(60kHz用)、273J(40kHz用)と違い
√(27000/12000) = 1.5 60/40 = 1.5
ですからバーアンテナ自体は同じもののようです。
そこでP-00280(60kHz用)を買ってコンデンサーを取り換えて使うことにしました。
なおP-00280(60kHz用)にはクリスタルフィルタ用の60kHzの水晶発振子がついていますがクリスタルフィルタを使うのであればこれも別に購入する必要があります。
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指定のコンデンサ273J(0.027μF±5%)のフィルムコンデンサを買ってきてこれでちゃんと同調しているかどうか確かめてみました。
同調回路は上のバーアンテナと273Jのコンデンサーを並列にしたものに5.1kΩの抵抗を直列に入れてあり
同調回路の両端の電圧を測ります。
電圧発生器
「続々・コレクタ電圧(ICE)とコレクタ電流(IC)の関係を調べてみた - 積分回路とMCP3208を使う」の左側の部分
VF変換・正弦波発生器
「PIC16F1705のDAコンバータを使った正弦波発振器(発生器) - 改良版」
交流電圧計
「交流電圧計(ミリバル)を作る - 高周波電圧計 - 1」
これを使うのはちょっとどうかと思うのですが
「一歩進んだ交流電圧計(ミリバル)の製作 - 1」は不調で使えず
「ちょっと凝った交流電圧計(ミリバル)の作り方 - 1」は準備不足で間に合わず
表示・記録
「PIC+SPI+I2C 自記温湿度計+気圧計+8ch電圧計+周波数カウンタ(技術要素一覧)」
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結果
共振周波数
40.3kHzでした。まあまあではないでしょうか。バーアンテナのインダクタンスは580μHということになります。共振周波数を40kHzぴったりにするには400pFを並列に入れればいいはずです。
Q
電圧計は非直線性があるため上のグラフからはわかりません。同調回路の代わりに抵抗を入れて上と同じピーク電圧になる値を調べてみたら12.3kΩでした。これからするとQ=84になります。
自己共振周波数/浮遊容量
まだ測っていませんが測る予定はあります。
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関連
「JJY受信機/電波時計の製作記事を集めてみた」
「JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに」
「JJY受信機を作る - バーアンテナとその特性」
「JJY受信機を作る - 状態変数型フィルタの周波数特性」
「JJY受信機を作る - JJYの電波がつかめた!」
「JJY受信機を作る - アンテナとプリアンプ」
「JJYの電界強度と受信機の必要利得(増幅率)」
「JJY受信機を作る - すでに40kHzのキャリア(連続波)を検出できてるっぽい」
「標準電波JJY - 変調波振幅の「最大100%、最小10%」の意味」
「JJY受信機を作る - 40kHz/60kHzクリスタルフィルターの功罪」
「音で聴くJJY - プロダクト検波による復調」
「クリスタルフィルターの効果を目と耳で確かめる - JJY受信機を作る」
「標準電波・長波JJYが停波するとき」
「JJY搬送波の周波数をGPS/1PPSで測ってみた」
「標準電波にVCTCXO・VM39S5GをPLLで同期してみた - 長波JJY受信機の製作」
時刻
「時刻標準について」
JJY
「JJYの報時信号の送出方法」
「JJYの受信法」
「JJYを受信したい(要旨)」
参考 「NICT 情報通信研究機構 - 電磁波計測研究所 - 時空標準研究室
- 日本標準時グループ 」
PLL
「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」
アナログ乗算器
「四象限アナログ乗算器(マルチプライヤー)EL4083の使い方 - 1」
アンテナ
参考 「RFワールド - ラジオで学ぶ電子回路
- 第1部 ラジオのための基礎 第1章 ラジオの電波 」
状態変数型フィルタ
参考 「群馬大学 KobaLab@JP - 発振を利用したアナログフィルタの テスト・調整 」
JJY受信機
参考 「JR7CWK - 長波JJY受信機の制作」
補足
電波時計モジュール
「JJYを受信する(訂正あり)」
「電波時計モジュールを使ってみた(1)」
「電波時計モジュールを使ってみた(2)」
「電波時計モジュールが「使えない」理由」
「GPS受信モジュールあれこれ」
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コメント
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綺麗なグラフになっていますね( ̄O ̄;)
これは高周波電圧計で測ったものでしょうか?
投稿: 惑 | 2015年11月25日 (水) 18時46分
はい高周波電圧計です。
http://seppina.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/--d318.html
の写真の上の方にある細長いやつです。
これ40kHzですから高周波電圧計を使うようなものではないのですが、他にすぐ使える交流電圧計がなくて (^^;;
投稿: セッピーナ | 2015年11月25日 (水) 19時08分