PLL(フェイズロックループ)の特性 - ジッターを測定してみた
「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」に書いたようにGPS受信モジュールのTIMEPULSE信号に同期した10MHzくらいの高精度発振器を作るのが目的なのですがPLLのジッターが気になってきたので測定してみました。
と言ってもプロがやるようなことはとてもできないので“なんちゃって”です。
VCOの出力パルスの1サイクル分の周期を1秒間に50回くらい測って本来の周期との差をグラフにしてみました。せっかくだからPLLに基準周波数を与えてロックするところも記録してあります。
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基準周波数をSignal Inに入れたとたん瞬間的につまり0.1秒とか0.2秒でロックしています。
「PLLとGPS受信モジュールで作る高精度発振器 - PLLのテスト(2)」で見られたオーバーシュートのような現象もみられるようです。時間分解能が低いのであんまりはっきりしたことは言えないのですが、これはさらに時間分解能をあげた実験で詳しく調べてみたいと思っています。
本題のジッターですが最大1μ秒あります。ちょっと大きすぎるような気もします。基準周波数のジッターも同様の方法で調べたのですが検出限界以下(0.04μ秒以下)でした。( <== ここは勇み足です。実験方法に問題がありました。再度確認の上記事にします)
周波数もふらついているように見えますが、周波数は1/周期で求めているのでジッターがあるととうぜんこういう結果になります。周波数が変化しているというより位相歪があると考えた方がわかりやすいかもしれません。
基準周波数を作っている水晶発振器もEPSON ToyocomのものでPLLを使ったものなのですが、データシートにはジッターは50ps以下とありました。分周してもジッターは変化しないはずなので、こんなままごとみたいな方法で検出するのはムリというものでしょう (^^;;
VCOの周波数を上げ分周してPFDに入力したときどうなるのか、よくわからないので実際に確かめてみたいとは思っていますが、ジッターを減らす努力はやっておいた方がよさそうです。少なくともジッターを小さくするための対策は知っておきたいです。
じつは思い当たる点がいくつかあるのでそのあたりを実際にやってジッターが減るか確かめてみたいと思います。
==> 「PLL(CD4046BE)の使い方(2) - ジッターの低減」
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