PLL(CD4046BE)の使い方(2) - ジッターの低減
10MHzくらいの高精度発振器(「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」)の製作を進めているわけですが、CD4046BEのもっとも簡単と思われる使い方(「GPS受信モジュールGE-612TとPLLで作る高精度発振器 - CD4046Bの使い方」)でテスト的に作ったものは1μsくらいのジッターがありました。
これは Phase Comparator II Out を使っているのですが、もう一つ Phase Comparator I Out を使う方法があります。
この方法は、高調波でロックしない、とか、基準信号とVCO出力の位相差がない、という特徴(メリットと考えていいと思います)が失われるのですが、入力ノイズの影響を受けにくくなるようです( Signal input noise rejection Low )
ひょっとしたら少しはジッターが少なくなるかもしれないと思い試してみました。
--------
まず回路定数を決める必要があります。 Phase Comparator I Out にしたときと Phase Comparator II Out にしたときの説明がわけて書いてあるので回路定数が違ってくると思ったのですが、よく読むと同じ条件で使うのであれば回路定数も同じになるようです。
そこで Phase Comparator II Out のときと同じ回路定数で動かし 「PLL(フェイズロックループ)の特性 - ジッターを測定してみた」 に書いた方法でジッターを測ってみました。
Phase Comparator II Out のとき(「PLL(フェイズロックループ)の特性 - ジッターを測定してみた」 )と比べるとジッターは半減しています。効果があるみたいです。
基準信号とVCO出力に位相差が発生するのは用途によっては問題になりそうですが、私の場合は発振周波数が正確な発振器を作るのが目的なので、Phase Comparator I Out を使うことにして進めたいと思います。
--------
関連
「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」
「GPS受信モジュールGE-612TとPLLで作る高精度発振器 - CD4046Bの回路定数」
「PLL(CD4046BE)とGPS受信モジュール(GE-612T)で作る高精度発振器 - PLLのテスト」
「PLLとGPS受信モジュールで作る高精度発振器 - PLLのテスト(2)」
「PLL(フェイズロックループ)の特性 - ジッターを測定してみた」
「PLL(CD4046BE)の使い方(2) - ジッターの低減」
「GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う」
「超高精度・温度補償型水晶発振器VM39S5GをPLLのVCOとして使う」
「超高精度VCTCXO・VM39S5GをPLLでGPSに同期させてみた」
「時刻標準について」
「GPS受信モジュールあれこれ」
「記事一覧(測定): セッピーナの趣味の天文計算」
「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算): セッピーナの趣味の天文計算」
« 本日(2015年11月15日)の6連続掩蔽(星食)観測結果 | トップページ | GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う »
「趣味の実験」カテゴリの記事
- 100Ω抵抗器の端子間で発生した火花放電(沿面放電)(2018.07.18)
- Amazonで買った「400000V高電圧発生モジュール」の出力極性(2018.07.15)
- 高電圧モジュールの放電開始電圧 - 針状電極間の放電(2018.07.11)
- 高電圧モジュールの放電開始電圧 - 円筒電極と針状電極(2018.07.09)
- 放電開始電圧をパッシェンの法則から知る(2018.07.07)
この記事へのコメントは終了しました。
« 本日(2015年11月15日)の6連続掩蔽(星食)観測結果 | トップページ | GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う »
コメント