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2015年11月21日 (土)

VCTCXO/VM39S5G+GPSはほんとうに12,800,000.00±0.01Hzを実現できたか?

現在のVM39S5Gの周波数をPLLを使いGPS受信モジュールの1kHz出力に同期させる方法は長期的(数分間あるいはそれ以上)に見た場合12,800,000.00±0.01Hzを実現できているのは間違いないと思います。原理的にそうならなければおかしいし、測定結果もそうなったことを示しています。

問題は短期的な安定性です。平均的には12,800,000.00±0.01Hzだけれども短期的に見るとじつは12,800,000±1Hzだったということも考えられます。これは周波数が安定していることが確認できている発振器の出力との位相差の変化をチェックするのがいちばん確実な方法と思われますが今はその準備ができていません。

実際には二つの独立した発振器の位相差が一定であれば(あるいは位相差の変化が一定であれば)両方とも安定していると考えて別に問題ないと思います。

そこでVM39S5Gの周波数の変化にもっとも影響が大きい外部制御電圧の変化を見てみました。20.6bitADCであるMCP3553を使って60秒間毎秒5回制御電圧を測定しています。

VM39S5Gの発振周波数の変化は短期的にも制御電圧の変化と線形の関係にある、ということが前提です。この前提が成り立つことを先に検証すべきですが、そうなるとけっきょく上の安定した発振器との位相差の変化を調べるということになるので、ここは成り立っていると仮定して先に進みます。

01

------

このグラフをどう解釈すべきか難しいのですが....

まず全体的に見ると測定していた60秒の間に制御電圧は0.0001V強上昇しています。これは周波数でいうと0.01Hzの上昇に相当します。

周波数は12,800,000.00Hzで安定していたわけですから、この制御電圧の上昇はおそらく温度の低下あるいは電源電圧の低下を補うためのものだと思われます(電源電圧は一定の範囲にあるというようなことより急激に変化しないことが好ましいのでこのときはニッケル水素を使っていました。だから電源電圧が次第に低下するというのは十分に考えられます)

仮にこれが正しいとすると上のグラフの直線からの乖離が短期的な周波数の変化に相当します。これは0.005Hzくらいです。

調べてみたら実際の周波数の変化が0.005Hzではなかったという可能性もあるのですが、制御電圧は50μV程度のゆらぎに収まっているわけですから、周波数の変化もほとんどないのは確かだと思います。

おそらく温度(あるいは電源電圧)に追従するときの過渡現象的なものが制御電圧のゆらぎになっているのでしょう。

(仮定に仮定を重ねてはいますが)今回作成した“発振器”は

  12,800,000.00±0.01Hz を達成できた

と言えそうです。一方現在の方式では不確かさを±0.01Hz以下にすることは難しそうだということもわかります。

この理由はこのあたりにありそうです。

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ループフィルターの時定数は考えていたよりずっと大きくとる必要がありそうです。となるとそれに相当するだけの安定度がVCOに求められることになります。

上に書いたように今後他の発振器との位相差の変化を調べ再度検証する予定です。

もっとも周波数分解能を上げようとすると時間分解能は下がり、時間分解能を上げようとすると周波数分解能は下がりますので、検証できるのがいつになるかよくわかりません (^^;;

===> GPS受信モジュールNEO-6MとVCTCXO・VM39S5Gの周波数(位相)比較・改良版


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