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2015年11月17日 (火)

超高精度・温度補償型水晶発振器VM39S5GをPLLのVCOとして使う

VM39S5Gについては記事をいくつか書きましたがとても高精度です。電源電圧さえちゃんとしておけば室温ではほんとに1ppm程度の誤差でおさまるようです。ちなみにうちのVM39S5Gの今日の発振周波数は(電源電圧5.0V、制御電圧端子オープンで)12,800,009Hz~12,800,012Hzくらいでした。

だから“趣味の電子工作”であればPLL(周波数シンセサイザー等)の基準周波数源として十分使えます。でも今回はタイトルにあるようにこの超高精度VCTCXOを基準周波数源ではなくPLLのVCOとして使います。

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今PLLとしてCD4046EBを使っています。このPLLはマルツで一個100円で買ったものです。お値段がリーズナブルなのはけっこうなことなんですが、内臓VCOの発振周波数は1Mhz前後です。

高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめにに書いた発振周波数10MHzの高精度発振器(VM39S5Gが“超高精度”だったら、今作ろうとしているのは“超超高精度”です)には使えないと思い、PLLの練習用として使っていました。

CD4046EBは分周器は持たずPFDとVCOからなっているのですが、これらは独立しておりその間の接続はユーザを行います。ということはVCOを外付けにできるはずです。

Bd03_3
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VCOとして何を使うかなのですが、まず思いついたのは

  「交流電圧計(ミリバル+高周波電圧計+ベクトル電圧計)の周波数特性

などで使ったLT1799です。ただこれはCR発振器のはずなのでちょっと抵抗があります。CD4046EBのVCOもCR発振器なのですがジッターがひどいのです。CR発振器だからジッターが発生する、ということなのかそうでないのかはまだ確かめていませんが...

次に思いついたのがタイトルにあるVM39S5Gです。TCXOではなくVCTCXOなのは電圧で発振周波数が制御できるからです。つまりVCOです。VM39Gは制御電圧端子があり2.5±2.0Vに対して±6ppmの周波数変化があるとされています。実測でもこれに近い値が出ています。

  「VM39S5G(VCTCXO)の外部制御電圧と発振周波数の関係 - 超高精度・温度補償型水晶発振器

これ使えるんじゃないか、ということで実験の方法を考えてみました。

Bd04

いくつか気にかかることはあります。

CD4046BEのVCO制御用電圧は実測ではだいたい2V±2Vでした。一方VM39S5Gの外部制御電圧は2.5V±2Vになっています。また外部制御端子をオープンにした場合と同じ発振周波数になる外部制御電圧は1.6Vくらいでした。この“中点”の違いがどう影響するかが心配です。

ループフィルターはデータシートのサンプルにあるものをそのまま使っています。このサンプルは3kHz~999kHzの出力を得るものです。一方VM39S5Gの外部制御電圧の制御範囲は12,799,920Hz~12,800,080Hzと非常に狭いです。これもまたどういう影響があるのかよくわかりません。

いくら考えてもわからないのでひとまずこのまま実験をしてみることにしました。

超高精度VCTCXO・VM39S5GをPLLでGPSに同期させてみたへ続く

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