JJY受信機を作る - すでに40kHzのキャリア(連続波)を検出できてるっぽい
今回のプロジェクト(?)の目的の一つはJJYから40kHzのキャリアを検出し、これを使って12.8MHzのVCTCXOをPLLでロックし高精度発振器を作ることにあります。VCTCXO・VM39S5Gは“超高精度”をうたっていますので完成すれば“超超高精度”ということになります。
JJYはスペースでも電波を出し続けているので40kHzのキャリアを取り出すことは原理的には難しいところは何もないのですが、問題はスペースでの振幅が1/10になることです。
これまでの実験結果を見るとスペース部分のキャリアはノイズに埋もれてしまっているように見えキャリアを抽出するにはクリスタルフィルターの使用が必須と思っていたのですが、試しにBPF(状態変数型フィルタで作ったQ=10のもの)の出力を(増幅等した上で)周波数カウンターに取り込んでみました。
これを見ると39,999Hzまたは40,000Hzのデータが多いです。どうやらスペースの部分のキャリアも検出できているようです。
周波数が不規則に細かく変動しているように見えますがおそらくこれはノイズの影響でしょう。とくに300秒~350秒のところは激しくノイズがのっているのだと思います。
ただ39,999Hzのデータが多いことは気になります。使っている周波数カウンタのタイムゲートはこれまた超高精度をうたうRTC(キャリブレーション済み)DS3234Sを使っています。先日GPS受信モジュールの1kHz出力にロックした12.8MHzの周波数を測ったときは12,799,999Hzを示していました。40kHzくらいの測定で1Hzも誤差が出るということはあり得ないはずです。周波数が39,999.5Hzだったらこういう測定結果になるかもしれませんが、この考え方は論外でしょう。
グラフを見ると200秒周期くらいの変動のようにも見えます。このあたりになってくるとやっぱりクリスタルフィルタの作成を先にして調べるべきでしょう。
<== クリスタルフィルターを利用し、より分解能の高い測定を行いました。
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「クリスタルフィルターの効果を目と耳で確かめる - JJY受信機を作る」
「標準電波・長波JJYが停波するとき」
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時刻
「時刻標準について」
JJY
「JJYの報時信号の送出方法」
「JJYの受信法」
「JJYを受信したい(要旨)」
参考 「NICT 情報通信研究機構 - 電磁波計測研究所 - 時空標準研究室
- 日本標準時グループ 」
PLL
「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」
アナログ乗算器
「四象限アナログ乗算器(マルチプライヤー)EL4083の使い方 - 1」
アンテナ
「JJY受信機を作る - バーアンテナとその特性」
参考 「RFワールド - ラジオで学ぶ電子回路
- 第1部 ラジオのための基礎 第1章 ラジオの電波 」
状態変数型フィルタ
「JJY受信機を作る - 状態変数型フィルタの周波数特性」
参考 「群馬大学 KobaLab@JP - 発振を利用したアナログフィルタの テスト・調整 」
JJY受信機
参考 「JR7CWK - 長波JJY受信機の制作」
補足
電波時計モジュール
「JJYを受信する(訂正あり)」
「電波時計モジュールを使ってみた(1)」
「電波時計モジュールを使ってみた(2)」
「電波時計モジュールが「使えない」理由」
「GPS受信モジュールあれこれ」
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