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2015年12月26日 (土)

JJY受信用40kHzクリスタルフィルタのその後

その後もまだクリスタルフィルタを調整しています。なんとなくコツというか調整のポイントがわかってきました。めんどうくさくてあいかわらず特性は調べていません。プロダクト検波して音を聞きながら調整というのが(今のところ)いちばん効率がいいように思います。

なおこの記事の中の実験結果には回路が不安定になっている可能性があるものがいくつかあります。再確認中です。

二つも作ってしまいました。
Imgp10371000

取り換えて使える(というかテストできる)ように同じレイアウトにしてあります。

以下回路とアナログ乗算器でプロダクト検波したときの出力波形(包絡線)です。

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クリスタルフィルターなし
Nox
これは前回と同じですが、このあたりのオペアンプはすべて2068DDにしました。
151226_0125

ノイズだらけですが耳で聞くとけっこう強力に入感している感じです。CWでSN比が0dBより小さくてもちゃんと聞き取れるはずですからあたりまえですが。

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水晶振動子のみ
X1noc

オペアンプの入力の抵抗は以前は500kだったのですが20kにしました。
小さい方がキレがいいのですが、出力は全体的に低下します。

ちょっとおもしろいことになっています(水晶振動子は新たに買ってきたもので前回のものとは違います)
151226_0127

共振周波数が40kHzに近いために起きているのだと思いますが、直列共振、並列共振のどっちなんでしょう。

  <= 正帰還がかかっている(発振気味)なのかも....

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水晶振動子+コンデンサ
X1
このコンデンサは直列共振周波数上げる効果があるはずです。JJYを受信しコンデンサを調整して出力が大きくなるところを探します。

151226_0126

電波時計用には選択度が良すぎるかもしれません。
キャリア抽出用には上のコンデンサなしの方がいいように見えるかもしれませんが、実際はレベルが違います(この記事では波形が見やすいようにレベルを調整してあります)

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水晶振動子、二個
X2
調整する箇所が三つもあるのでたいへんです。60pFを使っているのは単に45pFがなかったからです。

151226_0128

このくらいになると10秒の壁(ポジションマーカ)を乗り越えてキャリアを取り出せます。
1分の壁(ポジションマーカ+マーカ)がギリギリな感じです。

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上の二つを組み合わせたもの
X1x2
(45pFのトリマーの前のコンデンサは消し忘れで)

さすがにここまでくると1分の壁も簡単に乗り越えられます。
151226_0129a

途中でコネクタをはずしたりつないだりしてみました。
151226_0129b

信号がなくなっても1秒以上振動が継続しています。40,000サイクル以上続いていることになります。もちろん立ち上がるのにも1秒以上かかります。

キャリアを取り出すときいちばん問題になるのは30分に一回のJJYのコールサインを送出するときです。0.2秒のポジションマーカのあと10%振幅(1%出力)が0.8秒続き、さらに電波にない状態が0.56秒(この時間は資料にはなく実測値)あります。この1.36秒の壁を乗り越えることができれば(停波しない限り)連続した40kHzを取得することができます。この後飽和するくらい増幅しており今のところコールサインの壁は乗り越えられているようです。

水晶振動子の両側にコンデンサを入れると並列共振周波数が下がってさらにシャープにできたんじゃないかと思いますが今はそこまでやる気力がありません。

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最初の基板の裏側です。

Imgp10421000

最近SMDを使うことを覚えました。ただ老眼だとちょっと見ただけではどこに使ったかすぐにわかりません。1、2週間経ったら、あれパスコン入れ忘れた、とかなりそうな気が.... (^^;;
SMDは左側は3個、右側は1個使っています。

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NICT 情報通信研究機構 - 電磁波計測研究所 - 時空標準研究室
            -
日本標準時グループ

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コメント

こんにちは、いつも拝見しております。
お使いのコンデンサのサイズは2012でしょうか?
私も老眼でして、チップコンデンサは使いたいのですが、なかなか手が出ません。
とは言え、秋月で0.1μ50Vのが一個当たり2円と言うのは魅力です。

はい、2012サイズです。じつは25V0.1uFの100個100円のものです (^^;;
見失ったり飛び跳ねたりするのでたいへんです。
3016サイズだとずっと扱いやすいのですがこの2.54mmピッチの基板だと斜めに取り付ける必要があるので見た目がちょっと...
慣れれば(工夫すれば)この大きさでもなんとかなるような気もしてきました。

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