« 難航するJJY電界強度時間変化の測定 | トップページ | 続・J:COM NETサービスのデータ送信量制限について »

2016年1月 5日 (火)

(改訂版)高精度10MHzの出力ができそうなGPS受信モジュール

入手がそんなに難しくなくてお値段もリーズナブルなものということで探したのですが手ごろなものが見つかりませんでした。それでちょっと自信がないものを紹介してしまったのですが、確実に10MHz出力ができるものがあるとのコメントをいただきましたので紹介します。aitendoで入手できるとのことです。記事を書く前にaitendoの製品ページをチェックすべきでした。

なお表にある製品も含めu-bloxは1PPS出力(TIMEPULSE出力)を設定で高周波出力に変えます。設定の仕方や(基板にTIMEPULSE端子がないときの)取り出し方はどの製品でもそれほど違いはないと思います。

初めての方はGPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使うをご覧になれば設定のやり方はわかると思います。端子出力がなくて基板からTIMEPULSEを取り出すのであればこの記事の下の方にある図を参考にしてください。どのピンがTIMEPULSE出力かはデータシートにありますが、たいてい3番ピンあたりではないかと思います。なおu-bloxにはTIMEPULSE出力ピンが複数あるものも存在します。

u-bloxのモジュール自体を使う場合ははんだ付けがちょっと難しそうですが、中日電工 - 117でいきましょう(5) - GPSで1PPSを(3) が参考になります。
u-bloxは10MHz出力ができなくても1kHz出力はたいていできるようです。

今回は高周波出力についての記事です。全般的な話はGPS受信モジュールあれこれにいくつかあります。

なおこの件についてあんまり過大な期待は持たない方がいいと思います。

  意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数

製品名 モジュール名 出力周波数 備考
aitendo  -
GM-8013T
\3,980._
u-blox8
詳細未確認
0.25Hz-10MHz この記事のコメント参照

GM-5157Aのときは苦労して自分でコネクタを作ったのですが、これば別売ですがコネクタがあります。
aitendo  -
NEO6M-ANT-4P
\1,980._
u-blox6
NEO-6M
仕様では
0.25Hz-1kHz
ですが
8MHz
10MHz
12MHz
が出力できたとのことです。周波数によってジッタの大きさが違うそうです。

あんまり過大な期待はしない方がいいです。用途によって判断してください。
意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数
この記事のJetzt さんのコメント参照(必読)
TIMEPULSE5で設定

アンテナもセットになっており端子部分は2.54㎜ピッチなので扱いは楽そうですが、TIMEPULSEはこの記事の下の絵みたいに基板から取り出すのだと思います。

===> TIMEPULSEの取り出し方は
GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4Pはまじおすすめ、でももう在庫切れ (^^;;

GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4Pはまじおすすめ、現時在庫数 76

にあります。


トランジスタ技術2016年2月の119ページにも写真入りの説明がありました。


動作保証されていない使い方なので消費電力の増加がどの程度のものか確認をしてから使った方がいいと思います。
Apps! -
Ublox NEO-7M フライト コントローラー GPS モジュール 内蔵 データ メモリー
\4,943._
u-blox7
NEO-7M
モジュールの仕様は
0.25Hz-10MHz
この記事

TIMEPULSE設定で10MHz出力ができて、基板上からそれが取り出せると思われます。
(ほんとうに取り出せるかは確かめていません)
aitendo  -
GE-612T
u-blox6
LEA-6
仕様では
0.25Hz-1kHz
ですが
1、2、8、10MHz
が出力できました。
TIMEPULSE5で設定

4MHz以上の周波数は出力できなかった
Jetzt さんによれば12MHz出力も可能とのことです。

動作保証されていない使い方なので使う前に検証をお願いします。動作電流が若干増加しているように見えます。

短時間しかテストしていないので何とも言えないのですが10MHz出力はどうも周波数が不安定なように見えます。
一方8MHz出力は安定しているようです。ただ結論を出すのは早いです。じっくり検証してあらためて記事にしたいと思います。

==> 高周波出力は可能だが、高い周波数での高精度は期待できない(できてもけっこう面倒くさそう)という結論になりました。

2MHz(10MHzも!)出力ができたGPS受信モジュールGE-612T(u-blox6/LEA-6)
GPS受信モジュールGE-612Tの8MHz、2MHz出力の周波数精度

----------------------

なぜ高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめにのように七面倒なことをやっているかというと私が持っているGE-612Tのタイムパルス出力は1kHzが上限だからです。と書いたのですが、10MHz出力ができるできないにかかわらずこの方法を使った方が周波数が安定した信号を取り出せると思えます。

ググっていたら

  Apps! - UBLOX NEO-M8N HMC5983 GPS モジュール GYGPSV5-NEO Pixhawk APM対応
  Ublox NEO-7M フライト コントローラー GPS モジュール 内蔵 データ メモリー

というのを見つけました。

Neo7mi

画像の著作権がどうなっているかわからないのでポンチ絵にしました (^^;;

=======

入出力には1PPSはないのですが、基板の中央付近にLEDとその電流制限抵抗と思しきものがあります。部品のかげになってはっきり見えないのですが、これはNEO-7M の三番ピンにつながっているようです。

NEO-7M(ublox 7) の三番ピンはTIMEPULSE です。おそらくこのLED(?)は1PPSで発光しているのではないかと思います。

ubloxでは1PPS ではなくTIMEPULSE というのですが、これはカスタマイズ可能だからです。NEO-7 series u-blox 7 GNSS modules のデータシートを見ると

  Timepulse Configurable  0.25 Hz to 10 MHz

とあります。どうやら10MHz出力が可能なようです。

つまり上の図のLEDの上側のところから1PPSあるいは10MHz出力が取り出せるのではないかと思います。

-------

価格は4,943円となっています。ちょっと高めかなとも思うのですが、アンテナやバックアップバッテリーもついているようですからまあ納得できるお値段です。ただ国内に在庫がないようで納品に時間がかかるようです。実際に確かめてから記事を書いていないのはそこに理由があります。

気になる点はPixhawk APM対応 フライトコントローラとあることでしょうか。これがどういう意味なのか私にはわかりませんが、カスタマイズ品ということを意味するのかもしれません。記事のタイトルが“10MHzの出力ができる”ではなく“10MHzの出力ができそうな”となっているのはそこに理由があります。

なお10MHz出力のカスタマイズについては

  GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う

が参考になるかもしれません。

前の記事 「VCTCXO/VM39S5G+GPSはほんとうに12,800,000.00±0.01Hzを実現できたか?
次の記事 「
2MHz出力ができたGPS受信モジュールGE-612T(u-blox6/LEA-6)

このテーマの最初の記事 高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに

--------

関連

  「
高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに

  「
GPS受信モジュールGE-612TとPLLで作る高精度発振器 - CD4046Bの回路定数
  「
PLL(CD4046BE)とGPS受信モジュール(GE-612T)で作る高精度発振器 - PLLのテスト
  PLLとGPS受信モジュールで作る高精度発振器 - PLLのテスト(2)
  「
PLL(フェイズロックループ)の特性 - ジッターを測定してみた
  「
PLL(CD4046BE)の使い方(2) - ジッターの低減
  「
GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う

  「超高精度・温度補償型水晶発振器VM39S5GをPLLのVCOとして使う
  超高精度VCTCXO・VM39S5GをPLLでGPSに同期させてみた
  VCTCXO/VM39S5G+GPS/TIMEPULSE+PLLで0.01Hzの周波数偏差をめざす
  「
VCTCXO/VM39S5G+GPS+PLLの過渡特性
  「
VCTCXO/VM39S5G+GPSはほんとうに12,800,000.00±0.01Hzを実現できたか?

  高精度10MHzの出力ができそうなGPS受信モジュール
 2MHzが(10MHzも!)出力できたGPS受信モジュールGE-612T(u-blox6/LEA-6)
  GPS受信モジュールGE-612Tの8MHz、2MHz出力の周波数精度
  GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4Pはまじおすすめ、でももう在庫切れ (^^;;
  GPS受信モジュールu-blox6/NEO-6Mと温度補償型水晶発振器VM39S5Gの周波数(位相)を比較してみた
  GPS受信モジュールGE-612TとNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力周波数を比較する
  GPS受信モジュールNEO-6MとVCTCXO・VM39S5Gの周波数比較・改良版
  意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数

  「「超高精度・温度補償型水晶発振器VCTCXO・VM39S5G」を使ってみる - 1


  「時刻標準について
  「GPS受信モジュールあれこれ

  
JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに

  「発振周波数の電源電圧による変化 - 「超高精度・温度補償型水晶発振器VCTCXO・VM39S5G」
  「
VM39S5G(VCTCXO)の外部制御電圧と発振周波数の関係 - 超高精度・温度補償型水晶発振器
  「
VM39S5G(VCTCXO)を使ってみた - 2 - 電源電圧


  「記事一覧(測定): セッピーナの趣味の天文計算
  「
過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算): セッピーナの趣味の天文計算

« 難航するJJY電界強度時間変化の測定 | トップページ | 続・J:COM NETサービスのデータ送信量制限について »

時刻と時間」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。

既にご存じかもしれませんが、aitendoにu-blox 8のモジュールがあります。
GM-8013T
http://www.aitendo.com/product/11460

ご参考まで。

ご指摘いただきありがとうございます m(._.)m
こういうのがいくつかあるのは確認したのですが入手性がよくなかった(あるいはとんでもない価格だったりした)のでこれにしたのですが、aitendoなら入手性も価格も問題ないですね。
他にもあるようなの調べて明日にでも記事を更新させていただきます。
これからもよろしくお願いします。

初めまして.

u-blox の NEO-6M を搭載したカード  [NEO6M-ANT-4P]
http://www.aitendo.com/product/10255
を試用しています.

カタログ上の周波数上限は 1 kHz ですが,u-center から TP5(Timepulse 5)で,それ以上の周波数を設定したところ,設定通りに動いているように思えます.

資料,Timing_AppNote_(GPS.G6-X-11007) の11ページ

https://www.u-blox.com/sites/default/files/products/documents/Timing_AppNote_%28GPS.G6-X-11007%29.pdf?utm_source=en%2Fimages%2Fdownloads%2FProduct_Docs%2FTiming_AppNote_%28GPS.G6-X-11007%29.pdf

によりますと,TP を内部クロック48MHz から生成しているので,8MHz のエッジはジッターが少ないが,10MHzはジッターが増える,とありました.
では,12MHzでは?とやってみたら,信じられないことに!ジッターの少ないパルスが得られました.

ごく短い時間しか試していませんが,上記の結果が得られたことをお知らせします.

情報ありがとうございます。
確かにNEO-6Mはデータシート上は上限1kHzですね。
私はTIMEPULSE5というのはTIMEPULSE出力が二つあるモジュール用と思い込んでいたのですが、そういうことでもないんですね。
ひょっとして私のLEA-6でも10MHz出力ができる、なんてことはないでしょうがダメもとで一度試してみます (^^;;
これから記事を書き直します。

PTPタイムサーバを作ろうと思っておりますが、普通のデスクトップPCにNEO6MつなげてPPSで時刻同期する記事がなかなか見つかりません(Raspberry Piならありますが)。

PPSを取り出すだけですと簡単そうですが、それを基に時刻同期する方法はありますでしょうか。

Raspberry Pi+HAT基板ですと、/boot/config.txtに
dtoverlay=pps-gpio,gpiopin=4
と追記することで/dev/pps0デバイスでアクセスできるようですが、Raspberry PiですとPTPでの送信(HWタイムスタンプ)ができないようでして。

コメントありがとうございます。
残念ながら私にはどうしたらいいかなんともお答えしようがないというのが正直なところです。

たとえば
  GPSでWindows10 時計合わせ
   http://ict-kuwa.net/ham/win10_gps/
みたいなのはどうなんでしょう。
"不確かさ"に対する要求が厳しく、この程度では満足てきないということかもしれませんが...

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: (改訂版)高精度10MHzの出力ができそうなGPS受信モジュール:

« 難航するJJY電界強度時間変化の測定 | トップページ | 続・J:COM NETサービスのデータ送信量制限について »

フォト

サイト内検索

  • 記事を探されるんでしたらこれがいちばん早くて確実です。私も使ってます (^^;; 検索窓が表示されるのにちょっと時間がかかるのはどうにかしてほしいです。

新着記事

リンク元別アクセス数

  • (アクセス元≒リンク元、原則PCのみ・ドメイン別、サイト内等除く)

人気記事ランキング

  • (原則PCのみ、直近2週間)
無料ブログはココログ