コルピッツ+バラクタをFMステレオトランスミッタの周波数変調に使ういちばん簡単そうな方法
「コルピッツ発振回路と可変容量ダイオードで作る周波数変調回路」 では次のような回路で実験していました。
上の記事を書き始めたとき変調をかけるところがちょっとみっともないかなあと思っていたのですが、今回の目的だとそうでもないのではと思えてきました。
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76MHz~90MHzで±75kHzの周波数偏移を得るのにどれほどの電圧が必要かというと数mV~十数mVと言ったところのようです。一方例えばパイロット信号19kHzは汎用ロジックの出力から作るので数百mV~数Vはあります。とすれば上のような回路は最適とも言えます(実際はパイロット信号の変調度は10%とされていますので、上の回路定数だと過変調(?)になってしまいます)
上のような回路構成だと電流源みたいな動作になるので複数組み合わせて使うこともできそうです。
ということでFMステレオトランスミッタの周波数変調部分はこんな回路でいいような気がしてきました。
R6~R8は適切な変調度が得られるように決めます。数十kΩ~数百kΩになると思います。
R6~R8が決まったら必要な帯域(L+Rは~15kHz、パイロット信号は19kHz、副搬送波は23kHz~53kHz)が得られるようにC8~C10を決めます。
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実際に上の回路でテストしてみました。「FMステレオトランスミッタ自作のチェックポイント - パイロット信号とか平衡変調とか」 にあるチェックポイントは(耳で聞く限り)クリアしていました。“チェックポイント 7 - L+RとL-R信号による変調” のテストでもちゃんと無音になる瞬間がありました。
ひとまずこれで進めてみようと思います。
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関連
「1kHz~30MHzオシレータ LTC1799で作る簡単FMトランスミッタ」
「FMステレオトランスミッタをLTC1799とNE555と74HC4066で作る」
「FMステレオトランスミッタ自作のチェックポイント - パイロット信号とか平衡変調とか」 (この記事)
「コルピッツ発振回路と可変容量ダイオードで作る周波数変調回路」
「続・LT1799で作るFMステレオトランスミッタ - 副搬送波による変調のテスト」
「コルピッツ+バラクタをFMステレオトランスミッタの周波数変調に使ういちばん簡単そうな方法」
「FMステレオトランスミッタの製作 - マトリックス回路は半分だけ作る」
参考
「電子情報通信学会 知識の森
- 5群(通信・放送) 8編(放送・CATV) 2章 変調方式と伝送 」
「三重大学 ナノエレクトロニクス研究室 - プリエンファシス回路 」
「CQ出版社 - RFワールド - 藤平 雄二 - ラジオで学ぶ電子回路 - 第4章 発振回路 」
「LT1799 - Linear Technology Corporation - 1kHz to 33MHz Resistor Set SOT-23 Oscillator 」
「記事一覧(測定): セッピーナの趣味の天文計算」
「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算): セッピーナの趣味の天文計算」
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