GPS受信モジュールGE-612Tの8MHz、2MHz出力の周波数精度
結論から書くとあんまり思わしくありません。現在室内で実験しておりアンテナを(おそらく移動体からの電波の反射を受けないことが条件になると思いますが)屋外に固定すれば改善するのかもしれません。
ただこのGE-612Tは「VCTCXO/VM39S5G+GPSはほんとうに12,800,000.00±0.01Hzを実現できたか?」 に書いたように1kHz出力を使ってVCTCXO・VM39S5GをPLLでロックすれば±0.001ppm程度の不確かさの12.8MHz出力を実現できそうなわけですから、この方法でこれ以上周波数を安定させる努力をする気にはあんまりなれません。と書きつつ計画はしていますが (^^;;
<=== GPS受信モジュールの出力をそのまま使うというのはまずいようです。上にリンクした記事のように安定した発振器をPLLでロックするというのが正しい態度のように思えます。
「意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数」
2MHz出力と8MHz出力の周波数時間変化
青、赤の点が2MHz出力で左側の目盛り、緑の点が8MHz出力で右側の目盛りです。どちらも表示の範囲が±5ppmになるように作ってあります。
いろいろと想定方法を変えながら測っています。だから同じ1,999,999Hzでも意味が違います。ゲートタイムからこの範囲なら規定の周波数と考えてよいという閾値(?)を黒の点線で示してあります。
緑の点8MHzの方は悲惨な状況になっています。あきらかにゆらいでいるでは片づけられない状況です。50分あたりのところはアンテナの位置を変えたりまわりを動き回っていたのでその影響かもしれません。70分あたりの急激な周波数の低下はちょっと原因が思いつきません。60分前後に比較的安定したところがあります。この程度であればもっと詳細に確認しようという気になるります。何をすれば(あるいうはどういう状況になれば)こういう状態に持っていけるのかがわかれば進展はあると思いますが....
赤い点、青い点は2MHz出力でこちらの方はだいたい安定しているように見えます。30分のところは1,999,999Hzになっていますが、これはゲートタイムが1秒で測ったところです。
前半はゲートタイムを長めにして測っておりこのあたりを見るとわずかにゆらいでいるようにも見えます。
じつは赤い点はゲートタイムをJJYおおたかどや山40kHzの受信波を分周したものにして測ったものです。フェージングや雑音にまみれた40kHzですから盛大にジッタがあります。40分のあたりはゲートタイムを約0.8秒にして測っており、この部分の結果からすると数μ秒のジッタがあるようです。とんでもないジッタのように見えますがまあそこは40kHzですから。
ジッタは分周してもほとんど変化しないので分周してゲートタイムを長くして測ると影響が薄められます。前半30分はそのような状態で測ったものです。おそらく2MHzはちゃんと出ていて40kHzのジッタのせいでゆらいでいるように見えるのではないかと思います。GPSの1PPSを使って測った青い点のところは安定していますし。
二つの未知の要素を詰め込んで実験するのは間違っているのですが、事前のテストで2MHzの方はかなり安定していることがわかっていたのでこんなことをやってしまいました。2MHzの方はもう一度ちゃんと測ってみたいと思います。
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