« GPS受信モジュールGE-612TとNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力周波数を比較する | トップページ | 意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数 »

2016年1月15日 (金)

GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4PとVCTCXO・VM39S5Gの周波数比較・改良版

GPS受信モジュールu-blox6/NEO-6Mと温度補償型水晶発振器VM39S5Gの周波数(位相)を比較してみたではMEO-6M(NEO6M-ANT-4P)もVM39S5Gも出力周波数がそれなりに安定していることはわかりましたがちょっと達成感に欠ける結果となりました。

今回は実験回路を改良してみました。

Photo_2

すでに作ったものを最小限の手間で変更したという消極的な理由もあるのですが、こういう用途ではXORよりアナログ乗算器の方が挙動をよく理解できているということでLPFをアッテネータに変更するだけで済ませました。

こうするとアナログ乗算器の入力は矩形波となり出力電圧はX,Y入力の位相差と線形の関係になることが前回と違います。

=======

出力電圧

Neo6mvsvm39s5g2vrvi

今回は二つの周波数源の周波数差が一定であれば電圧の変化は直線のグラフになります。

位相差と電圧絶対値

Neo6mvsvm39s5g2

位相差は基本的には同相成分電圧/電圧絶対値みたいな形で表されるので電圧のグラフとイメージは同じです。最後の方で大きく湾曲しています。2750秒あたりから傾きが負に転じます。つまりVM39S5Gの周波数がNEO-6Mの周波数より低くなったことを示していますが、なぜこうなるかは次の図でわかります。

周波数偏差(と室温)

Neo6mvsvm39s5g2fvst

周波数偏差の動きは前回よりずいぶんと小さくなっています。もちろん周波数偏差の動きそのものが小さくなったのではなく、測定方法が改善されただけでしょうが。

数十秒のレンジで見ればNEO-6MとVM39S5Gの周波数の差の変化は±0.0001Hz(±0.0025ppm)にすぎません。この変化が実際の変化なのか、単なる測定誤差なのかは現時点ではわかりません。これは今後の課題にしたいと思います。ただ±0.0001Hzとなると10000秒つまり3時間くらいカウントし続けたら1カウント違うというレベルですからもうどうでもいいという気もします (^^;;

最後の方で急激に周波数が低下します。前回の結果と同様これは室温が大きく低下したことが原因です。“急激”とか“大きく”とか書いていますが、室温が0.5℃さがったら周波数が0.0025Hz下がったというだけです。ただ温度係数が前回とはかなり違います。まだまだ調べなければならないことがたくさんあります。

周波数偏差(と電圧絶対値)

Neo6mvsvm39s5g2fvsvabs

今回はそれと見てすぐにわかるような相関は何もないようです。

結論

二つの(方式がまったく違う)周波数源の周波数の差が変動すればどちらかに(あるいはどちらにも)周波数の変動があるわけですが、今回のようにほとんど変化がなければどちらも周波数は安定していると考えていいと思います。

GPS受信モジュールの出力周波数が安定しているのは当然としても、VM39S5Gは温度による周波数変化が見られるものの少なくとも数十秒のレンジで見た周波数の安定度は極めて高いことがわかりました。

==> 短期的な安定度に関してはじつはVM39S5Gの方がよさそうです。

  意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数

------

前の記事 「GPS受信モジュールGE-612TとNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力周波数を比較する
次の記事 「
意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数

このテーマの最初の記事(関連記事の最新リスト付き)
  
高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに

関連

  「
高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに
  「
JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに

  「
GPS受信モジュールGE-612TとPLLで作る高精度発振器 - CD4046Bの回路定数
  「
PLL(CD4046BE)とGPS受信モジュール(GE-612T)で作る高精度発振器 - PLLのテスト
  PLLとGPS受信モジュールで作る高精度発振器 - PLLのテスト(2)
  「
PLL(フェイズロックループ)の特性 - ジッターを測定してみた
  「
PLL(CD4046BE)の使い方(2) - ジッターの低減
  「
GPS受信モジュールGE-612Tからの1kHz出力 - u-blox/u-centerを使う
  「
高精度10MHzの出力ができそうなGPS受信モジュール」 
  
2MHzが(10MHzも!)出力できたGPS受信モジュールGE-612T(u-blox6/LEA-6)
  GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4Pはまじおすすめ、でももう在庫切れ (^^;;
  GPS受信モジュールu-blox6/NEO-6Mと温度補償型水晶発振器VM39S5Gの周波数(位相)を比較してみた
  GPS受信モジュールGE-612TとNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力周波数を比較する
  意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数

  GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力の周波数安定度

  「超高精度・温度補償型水晶発振器VM39S5GをPLLのVCOとして使う
  「超高精度VCTCXO・VM39S5GをPLLでGPSに同期させてみた

  「
時刻標準について
  「GPS受信モジュールあれこれ

  「
記事一覧(測定): セッピーナの趣味の天文計算
  「
過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算): セッピーナの趣味の天文計算

« GPS受信モジュールGE-612TとNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力周波数を比較する | トップページ | 意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数 »

趣味の実験」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: GPS受信モジュールNEO6M-ANT-4PとVCTCXO・VM39S5Gの周波数比較・改良版:

« GPS受信モジュールGE-612TとNEO6M-ANT-4PのTIMEPULSE出力周波数を比較する | トップページ | 意外と不安定かも?GPS受信モジュールのTIMEPULSE出力周波数 »

フォト

サイト内検索

  • 記事を探されるんでしたらこれがいちばん早くて確実です。私も使ってます (^^;; 検索窓が表示されるのにちょっと時間がかかるのはどうにかしてほしいです。

新着記事

リンク元別アクセス数

  • (アクセス元≒リンク元、原則PCのみ・ドメイン別、サイト内等除く)

人気記事ランキング

  • (原則PCのみ、直近2週間)
無料ブログはココログ