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2016年1月10日 (日)

PLLでJJYに超高精度VCTCXO・VM39S5Gを同期させてみた

“超高精度”というのは秋月さんの製品紹介にそう書いてあるというだけですが、確かにそここそ正確でそれに安定しています。GPSのとき(高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに)と同様にこれをPLLを使ってJJYおおたかどや山40kHzに同期させてみました。

回路的にはGPSのときとほとんど同じなのですがループフィルターの時定数はけっこう大きくしてあります(150kΩ+4.7μF)もっと大きくした方がいいのでしょうが、まだVM39S5Gの断熱処理もやっていないのでこのあたりから始めることにします。

JJYの40kHzはクリスタルフィルター2個(水晶振動子の個数で言えば3個)通してコンパレータを通し4分周したものを使います。したがってVM39S5Gの出力も1280分周してあります。

余談ですがクリスタルフィルターは可能であれば特性のいいもの(直列共振周波数が40kHzに近いもの)を選ぶのがいちばん大切みたいです。単に振動子2個を使ったフィルターよりいいのを1個使ったものの方がシャープなような気がします。周波数があってないと調整もたいへんです。

実験結果(1)

周波数と制御電圧を測っています。
周波数を測るためのゲートタイムはGPSの1PPSです。電圧は分解能が高く電源ノイズに強いMCP3551で測ります。

周波数が落ち着くにつれてゲートタイムを長くとり周波数分解能をあげています。とうぜんその分時間分解能は悪くなります。
Pll01

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最初の部分の拡大図
時刻は測定を始めた時刻で実際に個々の測定値を取得した時刻とは違います。このため二つのデータがちょっとずれてしまっています。赤い線(制御電圧)は実際はもっと左にあると考えてください。
Pll02

まずPFDの出力はVCO(VM39S5G)には接続しないでおきます。VM39S5Gは12,800,008Hzくらいで発振しています。目標とする周波数より高いのでこれを下げようとしてPFDの出力はほぼ0Vになっています。

PFDの出力をVCOに接続すると0V近い電圧がVCOにかかるので一気に周波数が下がります。このため周波数は急に上がりオーバーシュートします。こういうことを繰り返しながら周波数は次第に落ち着いていきます。
Pll03

20分もたつと周波数の変動は0.01Hzくらいになります。
Pll04

最後のところで周波数の変動がちょっと大きくなって0.02Hzくらいになっていますが、これには理由があります(実験結果(2)の45分過ぎ、75分過ぎのところと同じ理由です)

なおほんとうに12.8Mhzで0.01Hzまで正確に測れるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、その理屈(?)は確度0.0005ppmの周波数測定 - GPSの1PPS出力を使った高精度周波数カウンタ にあります。

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実験結果(2)

上のやり方は周波数を正確に測ろうとするため時間分解能が悪くなります。つまり細かな変化が見えなくなってしまいます。

そこで周波数の測定はゲートタイム1秒でだいたいのところを測定しPFDの出力電圧(=VCOの入力電圧)を細かく測ってみます。電圧はドリフトとゆらぎがあるのですが、ドリフトは室温の変化による周波数の変化を補正するためのものなので今回のところは気にせずにゆらぎの方に注意します。電圧のゆらぎの分だけ周波数も変動しているはずです。
Pll11

全体的な動きは条件を変えていないのでそんなに変わりません。電圧の変化を拡大して見てみます。
Pll12

Aで周波数がジャンプしていますが、これは今のところ何が起きたのかわかっていません。
電圧は数mVくらいの細かい動きが連続しています。これだと周波数も十分の数Hzくらいの変動が起きているはずです。上に書いたように100秒前後のゲートタイムで見れば不確かさ±0.01Hzが実現できているように見えるのですが、実際はその中に細かい変動が含まれていると思われます。
これでもVM39S5Gの本来の周波数より二桁は改善しているのですが、GPS版に比較すると一桁悪いです(VCTCXO/VM39S5G+GPSはほんとうに12,800,000.00±0.01Hzを実現できたか? にあるようにGPS版の方は10μVオーダーの変動が気になるくらいのレベルになっています)

これをこれから1桁できれば2桁改善しようと思っているのですが、先が思いやられます。おそらく雑音によって発生するジッタが原因だと思います。フィルターの選択度を上げるとか発振器を入れて受信周波数に引き込むとかそんなところしか思いつきません。PLLのループフィルターの時定数をもっと大きくするという手もありますが、これはVM39S5Gの安定度を上げるというのとセットになります。

ところで上のB(15分過ぎ)とC(75分=15分過ぎ)のところで電圧が乱れています。時刻から見てこれはJJYのコールサインの送出時のようです。コールサイン送出前に10%振幅(1パーセント出力)が0.8秒間あり、それから0.56秒間の0%出力という“魔の1.36秒間”があり、これをクリアできていないようです。
この対策は不確かさの向上と共通するものがあります。

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