GPS受信モジュール1PPS出力・巴戦 - NEO6M-ANT-4P * GE-612T * GM-5157A
巴戦というのは意味が違うようですが、三者対決ということで....
今回はこのブロックダイアグラムです。
コンパレーターはなくなっています。はずしたわけではなくムリヤリ配線を取り出しました。
調べた範囲では1PPSがいちばん早く出力されるNEO6M-ANT-4Pを(仮の)基準としてそれぞれの1PPS出力タイミングがどのくらい違うか調べてみました。
パルス幅(1PPS出力時刻の差)の測定には48MHzの水晶発振器を使っています。パルス幅がきわめて狭いためこの水晶発振器の確度、安定度はそれほど問題になりません。
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結果
ご覧のとおりで
GE-612Tの1PPS出力タイミングはNEO6M-ANT-4Pの出力のおおむね0.7μ秒後です。
GE-612TとNEO6M-ANT-4Pの1PPSの出力時間差はけっこう変動します。
GM-5157Aの出力タイミングはGE-612Tのさらに0.4μ秒後です。
つまりNEO6M-ANT-4Pの1PPS出力から1.1μ秒後にGM-5157Aの出力があります。
NEO6M-ANT-4PとGM-5157Aの出力タイミングの差は比較的一定しています。
これが今回のすべてです。
GE-612Tは感度不足(電界強度不足?)なのかかなり荒れます。このグラフにはありませんが、NEO6M-ANT-4Pの1PPSより先に出力されるということもありました。いろいろ条件を変えながら長時間調べる必要がありそうです。
<==== あらためて同じ実験をしたところGE-612TとGM-5157Aの出力タイミングは一致しました。また変動もほとんどありませんでした。こういう実験は電波の状態がいいときやらないと意味がなさそうです。
あるいは電波の状態が悪いとこういうことが起こりうるとお考え下さい。
なおNEO6M-ANT-4Pについてはコンフィグレーションが誤っている(不適切である?)可能性があり調査中です。
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せっかくここまでやったのですから、それぞれの1PPS出力がどの程度変動しているかが知りたくなります。標準電波=JJYに同期したTCXO・VM39S5Gで1PPSを作り、それとのタイミング差を調べてみようかと思っています。そうすればそれぞれのGPS受信モジュールの出力タイミングの変動がわかるはずです(JJYにロックしたVM39S5Gの周波数安定度は10^-9、0.001ppmくらいあると思われます)
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前記事ではGM-5157Aの出力にコンパレータLM339を入れていました。今回はこれを通したりパスしたりしてコンパレータでどの程度の遅延が発生しているかを調べてみました。
上のグラフからこれは0.52μ秒程度であることがわかります。LM339の遅延時間はデータシートには1.3μ秒とあり、かなり違います。なぜこうなるかというとデータシートの値はオーバードライブがほとんどないときのものであり、今回の結果は最高にオーバードライブしているときのものだからでしょう。
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43分~44分あたいにあるのはRSフリップフロップのセットにNEO6M-ANT-4Pの出力、リセットにそれをコンパレータNJM2903Dを通したものとしてNJM2903Dの遅延時間を調べたものです。遅延時間は0.26μ秒となっています。LM339より倍くらい遅延時間が小さい(早い)ということになります。
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