セット優先RSフリップフロップとリセット優先RSフリップフロップ(RS-FF)
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以前エクスクルーシブORを利用する方法を試しました。
これは簡単な回路で実現できるので使いやすいのですが問題が二つあります。
1. Aが先だかBが先だかわからない。
2. フォーリングエッジの差(上図のt2)も検出されてしまう。
AとBの順序が決まっているケース(例えばGPS/1PPSとJJY/秒信号)もあって目的によっては1.は問題にならないのですが、2.は必ずマスクする必要があり状況に応じた対策が必要になります。
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A.、B.のパルス幅が狭ければRSフリップフロップが使えます。
この方法がA.とB.のパルス幅が広いときも使えればいいのですが、ふつうのRSフリップフロップだとちょっと問題があります。A.とB.の双方がHighになることが禁止されているからです(禁止されているというより、そうなるとフリップフロップの動きではなくなるということでしょう。双方Highになったら絶対ダメというわけではないです。でもこれは考え始めるとだんだん話がややこしくなります)
これもA,とB,が逆になるとタイミングの差がわからなくなるのですが、少なくともA.とB.のどちらが先かというのは確実にわかります。
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ではどうすればいいのかというのを自分なりに考えていたのですが、これに対する解決法はちゃんとありました。誰でもそういうのがほしいと思うはずで、それを私が見つけられなかったのは単に“RSフリップフロップ”でググっていたからです。
解決法にはちゃんと名前が付いていてセット優先RSフリップフロップとかリセット優先RSフリップフロップとかいいます。
これについては例えば以下に詳しい説明があります。
「電気通信大学 情報理工学研究科 佐藤研究室 - 論理回路学 - 6. 順序回路」
これを実際に作るとするとこんな回路になります。
セット優先RSフリップフロップ
リセット優先RSフリップフロップ
この二つは図を上下逆さまにすればわかるように同じものです。使い方が違うだけです。
これを使うと次のようになります。
ということでこれから最初に書いたようなことをいろいろやってみたいと思い作ってみました。
赤色のLEDはQがHighのとき光ります。右側の74HC00がRS-FFで左側はアナログ的な入力(例えばJJYの受信出力)用のコンパレータNJM2903です。ふつうコンパレータは基本オペアンプなので遅延が大きく注意が必要です。
緑色のLEDは/QがHighであることを示します。セットとリセットの入力を入れ替えると、出力のQと/Qも入れ替わりセット優先RS-FFからリセット優先RS-FFになります。
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関連
「GPS受信モジュール1PPS対決 - GE-612T vs GM-5157A」
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フリップフロップにこういった種類があることすら全然知りませんでした(ってアナログは他も知らないことばかりですけど^^;)。
これならどちらのタイミングが早いかわかるわけですね。
私が今回入手したMediaTekのGPSモジュールはNMEA3.01らしいんですが、まったく研究していません。メッセージ中の時刻はやっぱり直前の1PPSを表しているのか気になるところです。
先月のトラ技のGPS特集で気付いたのですが、1PPSはGPSモジュールのクロックで一番近いタイミングで出力する(言われてみれば当然ですが^^;)とのことなので、例えば1MHz動作なら1μs/2の誤差があることになりますよね。長時間測定して均せば問題ないのはわかりますが、目からうろこでした^^。
投稿: ほよほよ | 2016年2月21日 (日) 00時41分
GPSも精度を極めようとするといろいろ出てきますね。
u-blox 6の場合内部のクロックは48MHzのようです。分解能20nSということになりますが、スペック上は Signal Accuracy <60ns (99%) とあり、そこまでは行けてないようです。
今回のリセット優先RS-FFの製作目的もじつはそのあたりをはっきりさせようというところにあります。
メッセージの時刻はデータシートに明記してあるかもしれません。u-blloxはそうでした。
以前拝見した記事からすると一つ前の1PPSの時刻を出力するのは規約違反(?)なんでしょうが。
投稿: セッピーナ | 2016年2月21日 (日) 10時20分