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2016年2月21日 (日)

超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sは一ヶ月に0.2秒進む

秋月電子通商で製品タイトルに「超高精度」が付いている二つの製品のうちの一つ「超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234S」がどの程度「超高精度」か確かめてみました(キャリブレーションはたぶん一年くらい前に行いました。そのときのAging Offsetの設定値は23、0x17で、これまで一度も変えていません。)

セット優先RSフリップフロップとリセット優先RSフリップフロップ(RS-FF)を作ったのでそのテストを兼ねています。

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次のようなブロックダイアグラムで測定しています。途中で面倒になったのでかなり省略してあります。

Bd

   
========
  
測定結果
Tdandtemp

RSフリップフロップはGPSでセットし、DS3234Sでリセットしていますので、その時間差が小さくなって行くということはDS3234Sの時刻が進みつつあることを示しています。

Bのところで突然遅れ始めますが、これは室温が急激に下がったためです。ただ温度補償はされておりCのところで持ち直します。DのところはBのところまでとは温度が違うのですが、歩度はB以前とだいたい同じになっています。

DS3234Sの温度補償は一定間隔でスイッチドキャパシタで行われるので上のような特有なグラフになります。

・急激な温度変化があると一時的に歩度がかなり変化する。
・温度補償が離散的に行われる

この二つは発振器だったら致命的ですが、時計ですからあんまり問題にならないと思います。

Aのところのように歩度が突然変わるところがあるのも上のような温度補償を行っているためと思われます。

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上のグラフを見ると5分間で4μ秒くらい進むのが“定常状態”のようです。これは1日で0.006秒進むことを意味しており、タイトルに書いたように一ヶ月で0.2秒進むことに相当します。

この一ヶ月で0.2秒進む、というのは実感ともあっています。制御・測定用のPIC18F26K22には時刻合わせの機能も作り込んであるのですが、DS3234Sがリセットされたとき以外この機能を使ったことはありません。

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今回は0.1μ秒の分解能の測定を行っているわけで周期を測定する発振器にもそれに見合う確度が要求されます。これにはJJYに同期したVCTCXO・VM39S5Gを使いました。
JJY(標準電波/電波時計)にPLLでTCXO(VM39S5G)を同期させてみた(改良版)


発振器の確度・安定度を測定するのはけっこう面倒で今回はVCOの制御電圧で状況を確認することにしました。

Tdandvco

最初PLLがロックして安定するまでVCO制御電圧が大きく変動します。7分くらい経てばVCO制御電圧は安定します。これまでの実験結果からするとこのあたりでは短期的にも長期的にも12,800,000.0Hz±0.1Hzに収まっていると思われます。

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余談ですが、確度の要求される周波数測定のときはふつうGPS/1PPSをタイムゲートに使うのですが、面倒なときはこのDS3234Sの1PPS出力を使っています。

これで制御電圧端子をオープンにしたVM39S5Gの発振周波数を測るとたとえば12,800,009Hzを示します。これから1引いた周波数(この例では12,800,008Hz)がそのときのVM39S5Gの発振周波数と考えればだいたい合っています。

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関連

  「PICでSPI - 超高精度SPIバスRTC(リアルタイムクロック)DS3234Sの使い方」 (ソース付き)
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  「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)

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